「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開・小野路便り】元チームメート・谷澤達也が語る工藤浩平の“傾向と対策”

▼その異名は“姉崎のマラドーナ”

昨季途中、サンフレッチェ広島から完全移籍で松本山雅FCに移籍してきた工藤浩平は、かつてジェフユナイテッド千葉で谷澤達也とチームメートだった。谷澤はかつての同僚を、「技術が高い上に、人が使うのがうまい」と評し、どちらかいうとカウンター志向の強いチームの中で、「異色の存在」と見ている。また、工藤に対しては「浩平にボールを持たれたら、自分たちにとっては怖いこと」と最大級の警戒心を示している。

工藤は千葉の下部組織出身で、独特な間合いのドリブルが持ち味でもあったため、千葉在籍時代のニックネームは“姉崎のマラドーナ”。工藤本人はかつて、その異名を「自分としては恥ずかしい」と語り、千葉の選手の間で茶化されることも少なくなく、「(姉崎のマラドーナは)大げさですよ」と話していたことがある。ピッチ外でのキャラクターは、「昔からイジられキャラ」(谷澤)。“姉崎のマラドーナ”という異名も、格好のイジりネタのターゲットだった。

2001年にトリニダード・トバゴで開催されたU-17世界選手権(現FIFA・U-17選手権)では日本の10番を背負っていた逸材でもあった。166cmと小柄な体はハンディキャップになり得るが、本人いわく、オフ・ザ・ボールの動きを良くすることでここまで生き残ってきたという。いずれにせよ、松本で攻撃の貴重なアクセントとなり得る“23番封じ”が試合の勝敗を決するポイントになりそうだ。

Photo&Text by 郡司 聡(Satoshi GUNJI)

【プロフィール】
工藤 浩平(くどう・こうへい)
1984年8月28日、31歳。千葉県市原市出身。166cm/63kg。ジェフユナイテッド市原JY→市原ユース→ジェフユナイテッド千葉→京都サンガF.C.→サンフレッチェ広島を経て、2015シーズン途中に松本山雅FCに完全移籍。J1通算161試合出場11得点。J2通算178試合出場14得点(2016年5月21日現在)。

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