「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】J2第39節・町田×岡山/町田・相馬直樹監督、岡山・長澤徹監督、矢島慎也選手、岩政大樹選手コメント(4,286文字)

■明治安田生命J2リーグ第39節・11月3日(木・祝)14:00キックオフ
町田市立陸上競技場/4,163人
FC町田ゼルビア 1-1 ファジアーノ岡山
【得点者】町田/26分 オウンゴール 岡山/36分 片山瑛一

■相馬 直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総括をお願いします。
「まずは今日の試合もたくさんの方々にホームに集まっていただきました。昇格を争う岡山さんをホームに迎えるにあたって、ファン・サポーターの方々には素晴らしい雰囲気を作っていただきました。まずは本当にありがとうございましたとお伝えしたいです。素晴らしい相手に勝つゲームをしたかったので、それが叶わずに残念なのですが、選手たちはよく戦ってくれたと思っています。

前節、同じホームでの試合で戦うエネルギーの少ない、相手の勢いにのまれてしまうようなゲームをしてしまいました。エネルギーを持って戦うという状況を取り戻して、見に来ていただいた方々に『胸が熱くなった』『全力で戦ってくれた』と、たとえ負けたとしても、そう思ってもらえるようなゲームをしようと言って選手たちを送り出しました。そういった気持ちを持って、今日の試合に関しては自分たちからしかけて行く形をたくさん作り出せたのではないかと思っています。

ただ、こういうゲームを勝利に結び付けるのが大事なことで、先ほど、たとえ負けたとしてもと言いましたが、1-1のドローという結果で終わっています。失点をした場面で点を失わない、そして実際に決勝点を取る、もしかしたら点を取られる前に追加点を取ることが必要でしたが、まだその部分が足りずに、それは今後も追求していかないといけないと思っています。

次は中2日での連戦になります。一番大事なことは戦う姿勢ですし、アウェイに乗り込む中で、今日と同じファイティングポーズであれば勝てないわけですから、今日以上のファイティングポーズを取れるように、勝利に持って行ける状況を作って、敵地に乗り込みたいと思っています」

ーー大谷選手が今季初先発で、最終ラインは初めての構成となりましたが、彼らのプレーについては、どう見ていらっしゃいますか?
「失点もしましたし、時間帯によっては、受け身に回らざるを得ないシチュエーションもありました。あらためて映像を見ないと分かりませんが、チームの約束どころのところで、まだ意識の共有の部分で少しギャップがあるのかなと感じたシーンも多少ありました。ただ、大谷も臆せず、球際の部分でも戦ってくれたことは大きかったと思います。自信を持ってプレーしてくれたところがたくさんあったと思います。先発出場というチャンスが巡ってきた中で、十分戦えるところは見せてくれたと思っています」

ーーこれまでの試合と比較して、中島選手がサイドに流れてクロスボールを上げるシーンが多かったのかなという印象ですが、それはチームとして狙っていたことなのでしょうか?
「個人的にはそこまで多かったのかなという印象は特にありませんが、相手が3バックなので、一番ギャップのできる位置は3バックの脇のスペースになります。必然的にそこを突く形になったのかなと思います。誰がそこを狙ってということは特にありませんので、選手たちが自主的な判断でプレーをしながら、スペースが空いているため、そこを突こうとした結果かもしれません。それは相手の嫌がることをしてくれた結果だと思いますし、あと最後の場面でゴールに結び付けるためには、ボックス内でシュートに持ち込むシーンを作らないといけません。その形は残り試合も少ない中ではありますが、選手たちと突き詰めて形にしたいなと思います」

 

■長澤 徹監督(岡山)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「連戦の中、岡山からたくさんのサポーターの方々に駆け付けていただいて、心強く戦えました。ゲームのほうは予想したとおり、町田のアップテンポのゲームに慣れるまでに時間がかかるのかなと思っている中、味方にクロスボールが当たってコースが変わるというアンラッキーな形でゴールに入ってしまう展開になりましたが、その中で相手のアップテンポの戦いに次第に目が慣れていく中で、そのあとは後半に向かってしっかりとゲームをできたと思います。結果は引き分けでしたが、あと残り3試合となりました。自分たちの力次第でプレーオフ進出を持って来られる状況なので、次は中2日での試合になりますが、次の試合に臨みたいと思います」

ーーキム・ジンギュ選手を右ウイングバックで起用されましたが、その狙いを教えてください。
「狙いというよりも、連戦の影響による部分で選手がボトムの状況でなかなか戦列に戻ってこられない状況ですので、応急処置というのが本音です。経験はある選手ですし、彼が若いころに右SBをやっていることも見ていますので、問題なくやってくれたと思います」

ーー今日の結果で連敗を止めることができました。
「もうリーグ終盤に差し掛かっているので、連勝連敗という話ではなく、シーズン終了のカウントダウンに入っています。目の前のゲームで一つひとつの勝利を積み重ねていくことが必要で、トーナメントを戦っているようなものです。精いっぱいやっていますが、一人ひとりがもうワンパワー上げられると思うので、残り3戦でパワーを振り絞って戦いたいと思います。乾いた雑巾でも、水が絞り出せるか分からないのですが、振り絞るような形で出てくれば、今日は連敗が止まって引き分けの結果でしたが、勝利を持って来られるのかなと思います」

ーーなかなか選手個人が良いパフォーマンスを発揮できていないような状況に見えますが、やはりプレッシャーによる影響なのでしょうか?
「最後の完成形に向かっている途中で、まだチームとして完成している形ではありませんので、いまこの時点で出ないというよりも、その余力はありますし、もう一歩出せるはずだ、という確信を持っています。前半から後半に入る時間帯もそうでしたが、ちょっとしたことで状況は変わるので、もっと選手たちに要求をしていきたいと思います。一人ひとりで乗り越えて、チームの総力にしていきたいと思います」

ーー次節はホームで6位以内を確定させることができる状況まで来ました。
「背景のことを考え出すとキリがないですから、われわれは純粋にフットボールに集中して、目の前の勝利を勝ち取ることに集中したいと思います。また、一人ひとりがもう一段階上の力を出せるように注力していきたいと思います」

 

■MF 10 矢島 慎也(岡山)
いまは良い内容のサッカーをしていない
「攻撃では思うようにいかない場面が多かった。(アシストの場面について)たくさんあのようなパスは出しているつもりだし、片山さんが決めてくれて良かったです。最後の場面でドリブルで持ち込んでシュートまで行った場面でも落ち着きが欲しいですし、持ち込むところまでは行っているので、あそこで落ち着ける選手はなかなかいないから、終わったあとに落ち着いていればと考えることになる。練習で意識していることを試合で表現していくことの積み重ねだと思うので、落ち着いている選手は自信があると思うし、もっと成長できると思う。

感じていることは良い内容のサッカーをしていないし、京都戦で負けたこともそうだし、今日のように立ち上がりに失点を喫したことでどうしても厳しい試合になってしまう。それは良くないと思いますし、やっているサッカーも何かが懸かっている状況と以前の山口戦のころのサッカーと全然違う感じがあります。後ろで余裕を持ってつなげる場面も少ない。後ろで時間を作ることができれば、前を向きやすくなります。後半の途中から、(伊藤)大介くんと意図的に下がりながらボールを動かせるようにして、それで少しは良くなったと思います。いまの状況はロングボールの形しか攻め手がなくて、いくら前で(赤嶺)真吾さんが強いとはいえ、相手も守備をしやくするなると思います。そこは大介くんと二人で変化を付けていきたいと思います」

 

■DF 35 岩政 大樹(岡山)
今日の勝ち点1は大きかった
「町田さんがかなりラフなボールを入れてくるので、ヘディングの競り合いで重なることが多かったですが、まだまだ声が足りないと思います。僕と(竹田が)接触したシーンはそれを象徴していたと思います。特に今日は声が通りましたから、うるさいくらい、声を出していても良かったと思います。今日うんぬんではなく、まだまだ足りないですね。

(チームは苦しんでいる印象です)個人が良くないですから。0-1のときも言っていましたが、チームうんぬんと言うよりも、個人のパフォーマンスが良くないです。パフォーマンスというよりも、一人ひとりが自分の気持ちに整理がついていないんじゃないかと。そこが大きな問題点でしょう。

勝ち点1でも上積みできたことは大きかったですし、特に得失点差でウチのチームは優位なので、勝ち点1でも今日の『1』は大きかったです。それ以上にみんなにも話しているのですが、プレーオフうんぬんは関係なくて、プレーオフに行くことが目的ではないです。プレーオフで勝っていかないといけないですから、自分たちがここまでやってきたことを出せるようになってからプレーオフに行かないとプレーオフでは勝てません。あと残り3試合の中で、その状態を取り戻せばプレーオフに行けるでしょうし、そのあとの試合でも多少光が出てくると思いますが、そこがまだまだかなという気がします。

0-0の時間帯なのに何をイライラしているのか分かりませんが、それぞれがチームがあまりうまくいっていないことに対して、どこかネガティブになってしまう。町田も何かをしたわけではなく、ボールを前に付けて、セカンドボールを拾って押し込んで、それほど相手のチャンスがあったわけではないですから、慌てずに対処して良い時間が来るのを待てば良かった話を、なかなかうまくいかないねと自分たちで思ってしまっています。それは未熟というか、ウチの本来の姿ではないと思います。

サッカーが変わっているわけではなくて、個人個人の問題でそれぞれ事情は違いますが、個人個人が成熟できていないだけです。一人の選手として成熟できなければ、個人個人の責任。成熟できないのであれば、そういうプロ選手として道を歩んでいけばいいんです。それは仕方のないことです。それをできた人間が評価されていく世界ですから、それができた選手は個人を持っています。そこにたどり着きたいと思うかどうか、だと思います」

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