「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料掲載】白熱の“東京ダービー”。ペスカドーラ町田、執念の同点劇【マッチレビュー/Fリーグ・府中アスレティックFC戦】

■DUARIG Fリーグ 2017/2018 第32節・7月1日(金)19:30キックオフ
駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場/1,715人
ペスカドーラ町田 2-2 府中アスレティックFC
【得点者】町田/13:15 ダニエル・サカイ、31:49 滝田 学 府中/18:55 内田隼太、27:52 完山徹一

▼捨て身のパワープレーも阻止

すでにプレーオフ進出を決めているペスカドーラ町田は、シュライカー大阪とプレーオフ進出を争う府中アスレティックFCと対戦した。試合前日にライバルの大阪がバサジィ大分に勝利したため、府中は6位に転落。「勝てばプレーオフ進出に近づける状況だった」(谷本俊介監督)府中が「士気高く臨んでくる」(原辰介)ことを町田は十分に想定していた。

相手の出方を警戒する中、町田のメンバー編成は「今季を戦ってきた組み合わせではないセットもありました」(金山友紀)。フィクソはダニエル・サカイ、滝田学を中心に構成し、比較的、中村充や宮崎貴史のプレー時間も長く、メンバー起用という意味ではフレッシュな印象を残した。

それでも、チームのコンセプトは大きく崩れることはなく、前からのプレッシングやパス回しから深い位置で起点を作る動きなども忠実に実践。ダニエル・サカイが決めた先制点は、相手のセットプレーをしのいだあとに発動したカウンターから奪うなど、相手の隙を突くしたたかさも発揮した。

しかし、プレーオフ進出に向けて、府中の勝利への意欲は先手を奪われても衰えない。前半のうちに内田隼太に追いつかれると、後半は皆本晃のキックインから完山徹一に逆転ゴールを奪われてしまった。先手を奪いながらも逆転を許す展開に陥っても、町田は決して動じなかった。

「プレーオフでも同じような状況は起こり得る」と滝田学。1-2で迎えた31分49秒には、横江怜のミドルシュートが一度GKクロモトにはじかれたものの、そのこぼれ球を中井健介、滝田とつなぎ、最後は滝田がヒールシュートで同点ゴールをもぎ取った。

そして残り3分37秒の段階で府中は完山がゴレイロのユニフォームを着用し、パワープレーを敢行。府中の猛攻撃をはね返しながら町田も反撃の機会をうかがうと、17分31秒には左タッチライン際をドリブルで突破した滝田のパスを受けた金山友紀が右足を振り抜く。しかし、渾身のシュートはクロスバーを叩き、勝ち越し点はならず。ともに東京都内にホームタウンを置くチーム同士の“東京ダービー”は、熱戦の末、決着がつかなかった。

この日の結果で町田は2位・湘南ベルマーレを勝ち点2差で追走。残念ながら勝ち点3は奪えなかったが、指揮官・岡山孝介監督は「久しぶりに試合に出た若手選手もいた中でチームは全力を出し切って戦えた」と一定の評価を下した。

一方、勝ち点1を上積みした府中は勝ち点57で大阪と並び、得失点差で順位は6位で変わらず。翌8日の最終節にプレーオフ進出の運命を委ねることになった。

Photo&Text by 郡司 聡(Satoshi GUNJI)

【Fリーグ上位順位表】
順位 チーム 勝ち点 得失点差
1位  名古屋  79    92
2位  湘南   70   57
3位  町田   68   40
4位  すみだ  65   39
5位  大阪   57   39
6位  府中   57   15

※上位5チームがプレーオフに進出

 

【1月8日(月・祝)の主な対戦カード】
・10:00キックオフ 大阪×浜松
・12:15キックオフ 府中×大分
・19:00キックオフ 町田×仙台

※会場はいずれも駒沢屋内球技場

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