「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】相馬直樹監督「選手たちが言い訳をせずに戦ってくれたことが、最後に勝ち点3という結果につながった」+岐阜・大木武監督、石川大地【監督・選手コメント】

■明治安田生命J2リーグ第30節・8月26日(日)18:00キックオフ
町田市立陸上競技場/4,289人
FC町田ゼルビア 1-0 FC岐阜
【得点者】町田/17分 森村昂太

■相馬 直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「今日は夏休み最後のホームゲームとなりましたが、またわれわれをサポートするために集まっていただき、最後まで熱い声援を送っていただきました。まずはありがとうございました、とお伝えさせてください。昼間から暑い気温でもありましたし、ゲーム前にあった風も試合が始まると落ち着いてしまうなど、どちらにとっても厳しい気象条件下での試合となりました。選手たちからすると、ある意味言い訳にできる状況ではあったと思いますが、選手たちが言い訳をせずに戦ってくれたことが、最後に勝ち点3という結果につながったと思います。

立ち上がりから、相手を前から押し込み、前からハメる形を作れましたが、もう少しその中でセットプレーも含めて、フィニッシュまで持ち込む形を作れれば良かったと思います。その中で点を取れれば、もう少しゲーム展開は違ったものになったでしょう。ただ一つ点を取れたことが最終的には大きかったのかなと思います。

ハーフタイムに選手たちが帰ってきても、相当暑いという話をしている中で、90分のゲームなので、悪い時間帯、難しい時間帯も来ると思っていましたが、リードしていたからこそ、相手の攻撃を吸収するような時間帯があったと思います。そういうことができたことは最終的に勝利に結びついたので良かったのかなと思います。

ただもっとわれわれらしく、前へ前へという形を作り続けたかったですが、今日のゲームの中では最善を尽くしてくれたと思っています。そういった中で2点目を取れていれば言うことはなかったのですが、逆にまた孝司なんかは次なるモチベーションになるんじゃないかなと思っています。次のゲームに向けて、1日準備期間が短いスケジュールである上に、甲府も暑い気候の中での試合になると思いますが、それでもしっかりとファイティングポーズを取って戦える準備をしていきたいと思っています」

ーー後半はサイドのスペースを使われる形になっていましたが、吉濱遼平選手を入れての修正はどんな意図があったのでしょうか?
「遼平を入れて、ナカシ(中島)にはサイドに回ってもらって、中盤を5人にするような形にしました。コンセプトとしては変わりはないですが、中盤の4人でのスライドは足が運び切らない中で少し苦しくなっていましたので、なんとかそこを助けるには人の配置を変えたほうがいいのかなという意図がありました。

正直、一度もやっていないので、そういう意味では賭けでもありましたが、臨機応変に選手たちが対応してくれて、うまく相手への出所・方向を決めて、プレッシャーをかける形を作ってくれたと思っています。その中で攻撃の回数が減ったかといえば、そんなこともなく、いいところでボールを奪える回数も増えて、そのあとの攻撃の形も出るようになりました。今年初めてのことでしたが、ダメだったら戻せばいいや、ぐらいの気持ちでやりました」

ーー平戸選手がトップに近い形なのかなと思ったのですが…。
「あまり枚数の話をするのは好きではないのですが、土岐田が真ん中で前に森村と平戸がその前で並ぶ[4-1-4-1]のような形です。気持ちとすれば、中盤が5枚という形でした。われわれの中盤のラインと最終ラインの間に入り込まれていましたし、そこで起点を作られるのが嫌だったので、何をしたらいいのかと考える中で選手たちにやってもらって、うまくハマる形になったのかなと思っています」

ーー先ほど[4-1-4-1]はトレーニングではやってこなかったに等しいという話をしていましたが、日々のトレーニングでやっていることのベースがしっかりとしているからこそ、トレーニングではやってこなかったに等しいことをやっても表現できるんじゃないかと思いますが、そういう自信のようなものはあるのでしょうか?
「一番最初に話しましたが、コンセプトとしては変わりはないので、何を基準にしてプレッシャーをかけに行くのか、ステイするのか、攻撃でもそうですが、その基準の形はずっと同じ形でやっています。そこはある程度できるんじゃないかと思ってはいましたが、逆に形に引っ張られてしまうとよくないなと思っていましたので、そこは選手たちが臨機応変にやってくれたなと思っています。先ほどの平戸がトップに入ったように見えたのは、形にとらわれるのではなく、ボールに対して高い位置からプレッシャーをかけられる場合はかけに行く。そういうことができていたからこそだと思いますし、スタートの位置を変えることでうまくいったんじゃないかなと感じています」

ーー今日対戦された大木武さんもそうですし、反町さんも清水東の先輩ですが、そういった方々と対戦するときの気持ちはどうなんでしょうか?
「特別意識をすることはないですが、試合をする中でスタイルを持っている監督さんだと思っていますし、そういう中でいい戦いをできればいいなといつも思っています」

ーープレーが途切れたときに給水をする際のスタッフの手際の良さが光っていましたし、ハーフタイムの終わりギリギリまでピッチに出てこないことなど、そういったことも監督の方でマネジメントされているのでしょうか?
「給水に関してはスタッフたちがやってくれていますし、選手たちにも浸透していると思います」

ーー暑さに対しての工夫は何かされていますか?
「トレーニングから引水のことは結構言いますし、天然芝と人工芝では暑さが雲泥の差です。たとえ回数は減らすことはあっても、インテンシティだけは落とさずにやってもらうことはしていますし、全体の総量を減らすようにはしています。もっといい方法もあるとは思いますが、いまやれる範囲でやれることはやっています」

 

■大木 武監督(岐阜)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「たくさんのサポーターに来ていただいて、胸が熱くなるような声援を送っていただいたのですが、結果を残せずに非常に残念でした。前半は下手をすればもう1点を取られてもおかしくなかったですし、なかなか前にボールが出ませんでした。ボール回しの遅さでかなり後手に回りました。後半は前半よりは少し良かったですが、後半はシュートまで持ち込める場面が少なかったですね」

ーーこの2試合で最もシュートを打っていた風間宏矢選手や田森大己選手を先発ではなく、代えた意図は何でしょうか?
「(風間については)もう少し守備も含めてパワーが欲しいと少し先発を代えました。田森は腰に痛みを抱えています」

ーー前半よりも後半のほうが攻めることができた要因は?
「前半よりはボールを少し早く回せるようになっただけですね」

ーーロッカールームに下がった時は、どんな言葉を選手たちにかけたのでしょうか?
「顔を下げるな、ということです。まだ先は続くという話をしました」

ーー試合後にサポーターにはどんな言葉をかけたのでしょうか?
「ありがとうございました、ということです」

ーー連敗脱出への糸口は今日の試合で作ることはできましたか?
「粘り強く守れる部分はあったと思います」

ーーCBコンビの評価は?
「もう少しです。ボールの回し方、テンポが遅かったです。それが直接の原因ではないですが、なかなか前にボールを運ぶことができなかったです」

ーー石川選手をセンターFWで起用しての評価はいかがですか?
「ボールが前に行かないので、彼の良さが出てこなかったです。中盤に下がってボールをキープする部分は良かったと思います」

ーーベンチメンバーなどを見る限り、前半は0-0で後半勝負という意図もあったのでしょうか?
「失点が多いので、できるだけ点を取られたくなかったです。(石川)大地を先発で起用したのは、先に点を取りたかったからです。前半はなかなか前へボールが行かなかったですね。1点が入ったあとに風間宏矢が入るのか、難波が入るのか、そういったことは考えていました」

ーー後半はコンビネーションの形も作れましたし、サイドチェンジの形も作れましたが、町田のスライドが早かった上に崩れなかったです。やはり町田はJ2の中でも洗練されたチームなのでしょうか。
「非常にソリッドなチームです。ミシャ(ミシャエル)を入れて打開しようとしたのですが……。ただ少しずつズレているところはあったのですが、そこをうまく突くことができなかったですね」

 

■石川 大地(岐阜)
ゴールを奪うための工夫が必要だった
「終わった率直な感想はすごく悔しかったです。シュートを打てなかったですし、なによりもチームが勝てなかったことが悔しいです。ほかのFWの選手たちと比べて違う特徴を持っているので、それをもっと随所に出せれば良かったです。前半は自分たちの陣地でプレーすることが多く、後半は相手の陣地でプレーする機会を多くして、ゴールを奪うための動き出しを工夫する必要があったと思います。縦パスが入ったあとにボールを収める形は少しできたという手ごたえは感じています。

ただチーム全体としてはシュートの意識が足りなかったですね。ディフェンスの選手は粘り強く守ってくれたので、あとは前の選手が点を取ること。ただそれだけでした。勢いのある選手やシュートで積極性を見せる選手が必要でしたが、それを見せることができなかったので、物足りなかったです。(町田の守備について)縦パスに対してのチャレンジ&カバーがしっかりとしていましたし、そこで自分が収めることができればもう少しチャンスを作れたのかなと思っています」

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