長崎サッカーマガジン「ViSta」

【アカデミーレポート】令和2年度高校サッカー選手権 長崎県大会準決勝レポート 国見×創成館、南山×長崎総大附属

準決勝第1試合
国見高校 0-1 創成館高校

ともにポゼッションもできるチーム同士の対戦は、長いボールの応酬で幕を開けた。ロングボールの応酬ならば、長身FW中島大嘉がいる国見が有利・・と思われた展開だが、応酬されるボールの質で創成館が上回る。

その中心となったのが、積極的に動きながら質の高いボールを出す創成館のエース、岩﨑雄永だ。文字どおりの司令塔として岩﨑は、創成館の攻撃を巧みにコントール。最終ラインでは守備のエース、江崎智哉が絶妙な駆け引きで中島に自由を与えない。

国見のエース中島(背番号14)をうまく抑えた江崎智哉(背番号5)

創成館の攻撃を前に、後ろに重い展開の続く国見だが、攻守切り替えの早さを徹底してカウンターを放つなど、一方的な創成館ペースには持ち込ませない。後半には期待の1年生北村一真がボールを持つシーンが増え、少しずつ狙った形の攻撃が見え始める。

先制ゴールを決めた岩﨑(背番号8)

0-0で互いに引かない試合が動いたのは52分。左サイドから鋭い攻撃を見せていた創成館がPKを獲得。これを岩﨑が落ち着いて決め創成館が先制点を奪取。1点を追う国見は攻勢を強め、途中からは中島をセンターにした3トップとして、ハイボール・ロングスロー・ミドルシュートで猛攻を仕掛けていく。だが、最後まで創成館の集中は途切れずに試合は終了。今大会屈指の好勝負は創成館が勝利した。

準決勝第2試合
南山高校 1-2 長崎総合科学大学附属高校

立ち上がりから、走力を徹底して前に押し込む長崎総科大附属ペースで試合は開始。勢いにのって攻める長崎総大附属は、7分に別府史雅のゴールで先制に成功。その後も再三に渡ってサイドを突破し、クロスを入れていく長崎総科大附属だが、南山もCB浦達章を中心にしっかりとゴール前を固めて失点を許さず、逆に徐々に押し返してゴール前まで攻め込むシーンを増やしていく。

総科大附属にとって怖い存在だった田川太陽

主導権を握りながら今一つボールを支配できない長崎総科大附属に対し、田川太陽を起点としながら、原輝夢をアクセントにして攻める南山は、37分に清原胡太郎がヘディングを決めて1-1。

高いスキルでアクセントとなった原(背番号10)

同点となった後半もサイドを攻め合う展開が続くが、互いに決定的なシーンが作れない両校。次の1点で勝利が決まるという展開の中、それを決めたのは長崎総科大附属。51分に岩永空潤が右CKを直接南山ゴールに決めて勝ち越しに成功。

この日、攻撃をけん引した岩永空潤(背番号22)

1点を追う南山は、その後も懸命に攻めていくが、あと一歩ゴールに迫ることができず、試合は2-1で長崎総科大附属高校がリードしたまま終了。大会屈指の攻撃力を持つ南山を下した長崎総科大附属が、5年連続8度目の決勝戦進出を決めた。

reported by 藤原裕久

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ