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【アカデミーレポート】プリンスリーグ九州第2節 国見×神村~神村が強さを見せるも、途上の国見が見せた可能性~

4月10日(土)
プリンスリーグ九州第2節
国見高校 1-2 神村学園

<得点者>
47分:畠中健心(神村)
57分:篠原駿太(神村)
74分:本川瑠空(国見)

現時点のプリンスリーグ九州で最も強いであろうチームを問われれば、多くの関係者は神村学園を推すだろう。九州新人戦は3位で終わったものの、抜水昂太・篠原駿太の左サイド、笠置潤・若水風飛の右サイドはいずれも強力で、U-17日本代表候補である大迫塁のキックを起点とした攻撃は長短自在。前線では畠中健心を攻撃のアクセントとしながら、U-17日本代表候補の福田師王が背後を狙い続ける。チーム全体の戦術理解度も高く、4月の時点でチームは、ある程度の完成形に到達していると言っていい。

対する国見は九州新人戦を制し、ポテンシャルの高さを示したとはいえ、両サイドバックや2トップの一角など、レギュラークラス4人が負傷中。FW本川瑠空がプリンスリーグ開幕から好調ではあるが、スタメンの半分近くに2年生以下を起用するなど、チーム作りはまだ途上だ。U-18日本代表候補に緒方要・U-17日本代表候補に北村一真が選出されたことで年代別代表2人という点は神村と同じだが、現時点では神村が国見に挑む格好だ。


神村に挑むにあたって国見の木藤健太監督は、相手にボールを持たれることも想定し、ハイプレスではなく、ミドルブロックから引き込んでのプレスで試合をスタート。スムースなスライドしての守備とGK緒方が好反応で前半を無失点に抑え込む。だが焦りを見せない神村はサイド攻撃を徹底し、47分と57分に立て続けに得点。国見は74分に本川がカウンターからゴールを決めて1点差とし、その後も再三セットプレーで神村ゴールへ迫るが試合はそのまま終了した。


終わってみれば、神村の強さを感じる試合だったが、国見も着実に力が付いていることは感じられた。攻撃のビルドアップの部分に課題を感じるシーンもあったが、負傷者が復帰し、北村一真がもう少し高い位置でプレーできれば改善が見込めるだろう。先発したCB中浦優太や中山葵らが1年生とは思えぬプレーを見せたことも好材料だ。
「2巡目に対戦したときは勝てるようにしたい」
木藤監督がそう語るだけの可能性とポテンシャルは示した試合だったのではないだろうか。

reported by 藤原裕久

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