ニイガタフットボールプレス

【2020年のre:start】~20年2月編/6番目に読まれた記事~

リーグが中断して3カ月。現在は2度目のプレシーズンのようです。そこで、いま一度、2020年のチームへの「期待値」に注目します。昨年12月から今年2月まで、月ごとに記事のビューワー数を集計。カウントダウンしていくことで、皆さんが新チームにどのような関心を持っているかを探ります。

■勇気を持って表現する

2020年2月
10位/【春野ノート】「より具体的な段階へ」(2月3日掲載)
9位/【春野ノート】「覆す!」(2月9日掲載)
8位/【ユズ×ゴメ!(1)】「深いわぁ、そのタックル」[対談 from Kochi /島田譲選手&堀米悠斗選手](2月3日掲載)
7位/【春野ノート】「見据えるもの」(2月7日掲載)
6位/【インタビュー】「深く融合することを求めます」~アルベルト監督の蹴球文化論(1)~(2月17日掲載)
5位/?
4位/?
3位/?
2位/?
1位/?

[CLOSE UP]
「確かに練習試合で、ブラジル人選手のそういう一面が表れることもあります。しかし、勝負の懸かった公式戦では、彼らはクオリティーに見合ったプレーをしっかりとできる。

その意味では、日本人選手には逆のことがいえるのではないでしょうか。練習で良いプレーをたくさんするのに、実際の試合では、なかなか力を発揮し切れない。そういう傾向があると思います。ブラジル人選手、日本人選手、それぞれに長所、特徴があるわけです。

私が今、特にチームの日本人選手に伝えているのは、練習も大事だけれど、練習で学び、身につけたものを、公式戦で勇気を持って表現してほしいということです。練習でいくらすばらしいプレーをしても、試合で表現できなければ選手としての価値はありません。

新潟の選手はみな、すばらしいものを持っています。リスクを負うことを恐れず、勇気を持って、試合で表現できるようになってほしいですね」(アルベルト監督)

高知キャンプ中、アルベルト監督には二度、インタビューしました。一度目は1月。クラブ初のスペイン人監督に、スペインサッカー風の言い回しについて、教えていただきました。

二度目のインタビューを行ったのは、キャンプ最後のところです。その連載1回目が、2月で6番目に読まれた記事となりました。

今年のキャンプは、トレーニングゲーム7試合が行われました。そのすべてが終わったタイミングでのインタビューで、6試合目のブラウブリッツ秋田戦(△0-0)と、中三日での7試合目、カターレ富山戦(●1-3)の内容には、大きな差があるように感じられました。

秋田戦は、守備では積極的に前からボールを奪いにいき、攻撃では速くパス回を回す意識も顕著でした。チームがキャンプ中に取り組んできたことを、とてもよく表現できたわけです。

一方、富山戦は、とりわけ前からの守備が思うように機能せず、間延びして、目指すスタイルは時間とともに失われてしまいました。

キャンプ終盤でのインタビューです。間近に迫った開幕のザスパクサツ群馬戦に向け、メンバーが絞り込まれていく、とても大切な時期での取材でした。

トレーニングゲームやトレーニングでのメンバーの組み合わせには、敏感にならざるを得ません。秋田戦は日本人選手の2トップ、富山戦はブラジル人選手の2トップでした。2試合の差は、守備における2トップのソリッドさの違いが影響したのではないか。この問いに対するアルベルト監督の答えが、クローズアップで取り上げたコメントです。

新潟は、優れたブラジル人アタッカーの力に、これまでずっと支えられてきました。彼らの得点力、破壊力は、チームにとって絶大なプラス。それを理解した上で、過去のシーズンを振り返ったとき、日本人選手(特に守備陣)が、“前線のプレスの緩さが戦いを難しくしている”と指摘することも、たびたびありました。

あるいはブラジル人選手が、試合ではポテンシャルを大いに発揮して勝利に貢献する一方で、練習試合ではテンションが落ちてしまう。その温度差について。

これらは、チームの士気を大いに左右します。開幕戦に向け、チームを固めていく時期だっただけに、そうした疑問が一気に湧き上がっていたのです。

アルベルト監督の答えは、とても説得力がありました。外国籍選手が、新潟の流儀にいかにフィットするかというところに目が行きがちですが、監督は、日本人選手の改善点をしっかり見据えていました。そこに重心が置かれたコメントは、チームの基盤が日本人選手であることを物語ってもいました。

サッカーボールは球体ですよね。これを手に持ってながめるとき、ある面が見えます。くるっと回すと、見えていなかった別の面が見えてくる。

どれも、ひとつのサッカーボールが見せる側面です。アルベルト監督はそんな風に、サッカーを、チームづくりを、アルビレックス新潟を、さまざまなアングルから見ているのだと実感したインタビューでした。

reported by 大中祐二

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