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ニイガタフットボールプレス

【コラム】自分に正直に、まっすぐに~鄭大世がゴールを目指し続ける理由~ text by 白瀬まゆ美

■第3のブレイクを求めて

2015年、鄭大世がエスパルスへ移籍加入した時、川崎時代の強烈な個性とインパクトあるプレーイメージとは異なり、ボールがないところでも献身的にチームを助けられるプレーヤーへ進化を遂げていた。海外移籍を経験し、自分がフォワードとして生き残るために、自身のプレースタイルを変えたことを教えてくれた。

彼自身は、プロサッカー選手のキャリアにおいて、エスパルスでのプレー生活を「セカンドブレイク」と位置付けている。エスパルスがJ2で戦った2016年、リーグ戦37試合に出場し、26得点をマーク。勝利への貪欲な思いを表に出し、1年でのJ1復帰に大きく貢献。翌2017年にはキャプテンも任された。

何度も惜しい場面ではピッチを叩いて悔しがり、涙する姿も見た。彼は自らの気持ちを正直に言語化するタイプ。だが一方でとても繊細で、洞察力が高いため、自分の口にした言葉、置かれている立場やチーム状況が残酷なまでに見えているため、本人をも攻撃しているのではないかと感じるほどだった。自分の弱さをもさらけ出した上で、不安や悔しさを振り払うためにコツコツ努力するのが鄭大世だ。

現在36歳。今季のヨーヨーテストではチームNo.1をマーク。しかし、コンディションを維持しながらも、ここ2年は思うように出場チャンスを得られずにいる。エスパルスのオフィシャル媒体で7月にリーグ再開後にルーキーとの対談取材をすると、年齢、チーム事情、戦術など、現状を受け止めて前を向こうとしていることが、痛いほど伝わって来た。

エスパルス在籍6年目。エスパルススポンサーのCMにも出ているし、妻が手作りしているテセキムチはスタジアムグルメや地域スーパーで販売されるなど評判がいい。そして何よりエスパルスでユニフォームを脱ぐと宣言していた。もろもろの状況をすべて把握した上で、決めた移籍に鄭大世の並々ならぬ覚悟を感じた。

人々の期待や要求を糧に頑張り、注目されることこそがエネルギーになる、根っからのストライカー気質。パスさえ供給されれば、死ぬ気でゴールを決めに行く。今、鄭大世が渇望しているもののすべては、アルビレックス新潟のファンサポーターが彼に望むものと完全に一致しているはず。熱いオレンジ魂で新潟に勝利を呼ぶゴールを量産し、常々言っていた「まだやれる」自信をゴール数で証明してくれるのを楽しみにしている。

【筆者プロフィール】静岡県出身。ライターとして長年、清水エスパルスを取材し、公式メディア、雑誌などに寄稿。また、フードコーディネーターとして、静岡の名物わさび漬けでお馴染みの創業140年余、田丸屋本店の開発や営業の顧問も務める。

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