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ニイガタフットボールプレス

【アルベルトアルビの軌跡】① ~連結するもの~

2年に渡るアルベルト監督の時代から、松橋力蔵監督の新時代へ。それは断絶ではなく、継続であり、さらなる発展と進化を意味する。チームの新たな挑戦をより深く理解するために、『ニイガタフットボールプレス』で語られた前監督の“ことば”を再読する。

■それは予言のように響く

一つの時代が節目を迎え、新たなステージが始まる。2年に渡ってチームを率いてきたアルベルト監督が退任し、2022年チームを率いるのは、今年はコーチとして共に戦った松橋力蔵新監督だ。

クラブは前監督がこだわったボールを保持し、攻撃的に戦う路線を継続する姿勢を打ち出している。ブレることなく、このオフの補強が進められていくだろう。松橋監督が何を受け継ぎ、変革していくのか。実に楽しみだ。

そして、1カ月もしないうちに新チームが始動する。次なるアルビレックス新潟の挑戦をより深く理解するためにも、この2年でクラブ初のスペイン人指揮官がチームに何を打ち立てたのか、いま一度、振り返っておきたい。それは一時代が終わり、ここで断絶するのではなく、さらに続き、発展していくからだ。

J2に降格して5年。21年シーズン、チームはアルベルト監督の下、初めてひとケタ台の6位でフィニッシュした。昇格こそかなわなかったが、前半は首位に立つなど上位をキープ。通常のレギュレーションであれば参入プレーオフ圏内でシーズンを終えたことになる。着実な前進だ。

この2シーズン、『ニイガタフットボールプレス』のインタビューで語られたアルベルト監督の“ことば”を再読することは、重要な指針をわれわれに与えてくれるだろう。新時代につながるキーワードを、今日から3回にわたってお届けする。

初めてアルベルト監督にインタビューしたのは、2020年1月の高知キャンプでのことだった(【インタビュー】~教えて、アルベルト監督!(1)~「ピボーテ/pivote」)。あのバルサに縁の深い新指揮官は、いったいこれから新潟で何をしようとしているのか。スペインサッカーならではの用語、言い回しをアルベルト監督に解説してもらう体裁で、その思考への接近を試みた。

まず質問したのが「ピボーテ」について。なぜなら個人的に、かつてバルサのドリームチームで活躍したペップ・グアルディオラが大好きだったからだ。

「ピボーテ」というポジションをどう定義するか。その問いに対し、アルベルト監督は「それは4-3-3でプレーするときの話か?」と問い返してきた。話はここからピボーテが1人のときの4-3-3と、2人のときの違いへと膨らんでいく。

監督はバルサのブスケツを例に出し、「ポジショナルプレーをするとき、非常に重要になる。いわばピッチ上の監督で、常に首を振って周りを見ておかなければならず、試合をコントロールする。どういうテンポでゲームを進めるのか。いつ攻撃に行くのか、あるいは行かないのか。試合のリズムすべてを支配することがピボーテの役割」とした。

興味深かったのは、「ピボーテが1人よりも2人の方が動く量や範囲、機動力が求められる」としたところだ。ピッチの横幅68メートル上に2人いるより、1人の方が、より動かなければならないように思えるが……。

「4-3-3でピボーテ1人の場合、彼の前にはMFが2人いる。3人が協力してプレーすることで、ピボーテの行動範囲はそこまで広くはなりにくい」「ピボーテ2人の場合、ピッチ中央で彼らの近くに味方がいないことがしばしば起こる。そのため運動量が必要になる」

そう説明する監督は、ピボーテ2人のときのフォーメーションについて言及しなかったが、この2シーズン、新潟の戦いの基盤となった4-2-3-1をイメージするのは容易である。だからこそ、続けたアルベルト監督の“ことば”が、今となってはある種の予見のように強く響く。「ピボーテが1人のとき、チームはよりコンパクトになって動き続けなければならない。ピボーテが2人のときには、ディフェンスラインと中盤から前が多少離れても、チームは機能するだろう」

2021シーズンの後半、引かれた相手を攻めあぐね、チームは大いに苦しんだ。そして攻撃サッカーを目指しながら、肝心の得点力が陰りを見せ、昇格争いから脱落してしまったのだ。

それは、カウンターを受けた際のリスク管理でボランチ――ピボーテとほぼ同義とする――2人が残ることで、後ろが重くなりすぎたからだと見ることもできる。しかしアルベルト監督の目には、前と後ろが離れても、パス数、パスの成功率、ポゼッション率的に「チームとして機能している」と映っていたのかもしれない。

そして返す返すも、一度は夏場にチャレンジした4-3-3がうまくいっていれば……と思うのである。特にアウェイの京都戦(第23節△1-1)後半、島田譲の投入によって、先発だった福田晃斗、高宇洋との中盤3人体制となり、前半の4-2-3-1から切り替わった4-3-3が、大きな可能性を感じさせてくれただけに残念でならない。

ただ、昨年1月のインタビューでアルベルト監督は4-3-3の条件として「チームがよりコンパクトに動き続けること」を挙げている。ディフェンスラインを司ったセンターバックが33歳の舞行龍、35歳の千葉和彦であったことを考えると、真夏を前に、より運動量が求められる4-3-3ではなく、引き続き4-2-3-1で戦うことを選択するのは、合理的であったともいえるだろう。

reported by 大中祐二

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