デジタルピヴォ! プラス

Fリーグ2012 第14節 敗れた相根監督「一番大事な走り切るという部分が足りなかった」

府中戦でFリーグ復帰を果たした湘南のゴレイロ遠藤。ディフェンスとの連携が悪く5失点を喫した。

 

Fリーグ2012 powered by ウイダーinゼリー 第14節

府中アスレティックFC 5-3 湘南ベルマーレ

2012年9月22日(土)17:00 KICKOFF

東京都・府中市立総合体育館

観客:1,326人

写真・文◆デジタルピヴォ! 編集部・山下

 

 いい勝ち点3が獲れた

ホームでの湘南戦、府中は常に先手を打ち、粘る湘南を振り切った。試合後、「(8位という)順位で考えてはいけない非常に難しい相手に勝てて、いい勝ち点3が獲れた」と伊藤監督が胸を張れば、敗れた相根監督は「常に後追いする形が続いてしまった」と唇をかんだ。

試合は前半8分、湘南のゴレイロ12遠藤が4秒ルール違反を犯して得た間接フリーキックを府中の山田が決めて先制した。遠藤はFリーグ初年後の2007年に、今はなき「ステラミーゴいわて花巻」のゴレイロとして背番号1を背負い開幕戦の舞台に立った。そしてこの年の12月8日の第12節を最後に戦列を離れ、この日、実に5年ぶりに復帰し先発出場を果たしていた。自らの手痛いミスから失点してしまったが、その後は懸命のプレーを続けた40歳の大ベテランを、相根監督は「失点はしたが、それ以上に止めてくれた」とねぎらった。

試合はその後、湘南が同点とするが、前半終了1分前に12小山がボレーシュートを遠藤の肩口に叩き込み府中が2-1とリードして後半へと折り返した。小山はこの試合がFリーグ出場100試合目にあたり、自らの記念ゴールとなった。

後半も先手を打ったのは府中。5分に決めたロドリゴが15分にもゴールすれば、先制点の山田も37分にこの日2ゴール目。湘南は15分に佐々木が、終了1分前に8藤井が決めるが、府中が5-3でものにした。

 

[試合結果]

府中アスレティックFC 5-3 湘南ベルマーレ

[得点経過]

1-0 8分41秒 府中 10 山田 ラファエル ユウゴ

1-1 11分42秒 湘南 5 久光重貴

2-1 18分52秒 府中 12 小山剛史

3-1 25分37秒 府中 17 ロドリゴ

3-2 35分2秒 湘南 16 佐々木諒

4-2 36分48秒 府中 17 ロドリゴ

5-2 37分55秒 府中 10 山田 ラファエル ユウゴ

5-3 39分2秒 湘南 8 藤井健太

 

(会見コメント)

●相根監督(湘)

後追いする形が続いてしまった

隣りにいる府中出身のこの選手(小野)がいたチームであり、ぜひ勝ちたいという気持ちで戦いました。まあまあ、そのなかで出来た面と出来なかった面とがあったんですけど、しんどいときに走ることが足りなかったのかなと思っています。ボール回しは出来たと思っているんですけども、一番大事な走り切るという部分が足りなかったために、先に1点を取られて後追いするような形が続いてしまいました。

(質疑応答)

遠藤はよくやってくれたと思います

Q 遠藤選手が出場しましたが、彼のプレーについて監督の評価は?

A 失点はあったんですけど、それ以上に止めてくれた回数のほうが多いと思いますし、ディフェンスのところでシュートを打たせてしまったところの修正が重要かなと思います。(遠藤は)よくやってくれたと思います。

佐々木のゴールは成長につながる

Q 苦しいなかで5人も若手を辛抱強く使った。

A うちにはすばらしい経験をしている選手と、逆に経験はないですけどこれからの可能性がある選手が一緒にプレーしていて、その経験のある選手の技だったリプレーを盗んで成長していくってことを目指していて、ま、今日の佐々木のゴールは彼の将来につながっていくと思うし、ただ逆にマークの面でずれてしまっている部分があったりと、そこはさらなる成長を見守りたいなと思います。

 

(囲み取材)

●ボラ(湘)

ディフェンスをもっと強く!

Q こんにちは。今日はどうだった?

A ベルマーレ、いい試合したけど難しかった。

Q 何が足りなかった?

A ああ、チャンスあったけど、決めない? うん。

Q 勝つには何が必要?

A ディフェンス。もっと強く。それオレいつもいうね。もっと強くディフェンスね。アタックできるゴールできるけど、ディフェンスはもっと強く。悪くないけど、もっと強く。

 

(会見コメント)

◯伊藤監督(府)

順位で考えてはいけない難しい相手に勝てた

「まずは、府中で勝ってホッとしています。(8位という)順位で考えてはいけない非常に難しい相手だということはわかっていたんで、そういう意味で、いい勝ち点3が獲れて、来週いい形で神戸への挑戦権を得たんじゃないかなというふうに思っています。ほんとに今日は選手たちが頑張ったなと思ってます」

◯ロドリゴ(府)

「うちのホームゲームで、ほんとに大事なゲームで、そして相手が(順位は)下だけど強いチームって知ってるからみんなの力で頑張って勝ってよかったです」

 

(質疑応答)

層の厚さを示せた

Q 監督に聞きます。“よく勝ったな”という印象のゲームなんですけども、いかがですか。

A 相手は8位ですけど、8位にいるチームではないと思って試合に入りました。最後、パワープレーで1点返されましたけど、お互いに1本ずつ返しあって、よくやったかなと思います。

Q 最後、相手のパワープレーからボールを奪ってカウンターというときにミスが出て逆にカウンターを食らってシュートを打たれ、かろうじてゴレイロの村山がはじいて難を逃れたシーンがあった。練習で積み上げてきたディフェンスシステムも、それどころじゃないという感じか。

A もちろん、やってる選手からしたら、そういうのはあると思います。相手も時間がなかったんで、強引にパワープレーをやってきた印象はあります。そういう意味でいったら今年はパワープレーでやられているイメージが確かにあるんですけど、大きくはやられていないと思います。また、譲(小檜山)とか上福岡とかが出場時間が短いところで、頑張ってくれたかなと思います。今日はちょっと前田が出られなかったんですけど、層の厚さっていうのも示せたかなと思います。

Fリーグは自分に合っている

Q ロドリゴ選手に聞きます。フットサルから離れた期間が長いためにFリーグでは順応できないんじゃないかという声もあったが、スピードあふれるドリブルで今日も2ゴールを決める活躍をしたが、自分ではどう思っているか。

A 17歳まではサンパウロ連盟に登録されたフットサルの選手でした。それからサッカーに行って、またフットサルに戻って日本でプレーすることになったが、日本のフットサルを自分は好きです。どういう意味かというと、日本のフットサルは非常に速いが、自分のスタイルと合っているし、自分はドリブルが得意なので、Fリーグは難しくないと思っています。

Q 2点目のゴールシーンを解説してほしい。

A あのゴールはほんとに大事なゴールでした。相手が(3-2と1点差に迫る)点を入れたあとだけにさらにプレッシャーをかけてくるとわかっていたから、このゴールは大事でした。あのとき相手は“ああ、もうシュートできないな”と思ったはず。でも自分は最後まで思いっきりシュートまでいったから決まったんだと思う。

 

(囲み取材)

 

◯村山(府)

ディフェンスが甘かった

Q 正直、よく勝ったなと思う試合だった。

A まさにそのとおりだと思います。監督もいってたんですが、僕自身、この府中でやるっていうのはものすごく重みがある試合、プレッシャーがものすごくかかる試合と受け止めているんですね。去年はここで1勝しかできていませんし、(今日は)順位のことも考えれば負けれない試合だったということを考えると、ほんとによく勝ったなと思います。

 

Q よく耐えた。

A そうっすね。ま、前節(の大阪戦)からディフェンスがちょっと甘くなってきているなというところがあるんです。寄せが甘いというか、かなりクリーンに打たれて、いいシュートが飛んできちゃってるんですね。その前の2試合までは僕にとってそんなに仕事がなかったんですね。コーチングでつぶせるっていうところまで強いディフェンスができてたんですけど、みんなちょっと疲れてきてるのかな。

 

Q 順位で今は西の3チームが上位にいる“西高東低”状態。プレーオフは関東のチームに何としても残ってほしい。

A 僕自身、昔からやってる身とすれば東のほうが順位が低いっていう勢力図は正直、がっかりです。昔は覇権が東にあったので、どうしてもそれをこっちに引き戻したいというのは思ってます。次の神戸戦は2巡目の1つの山場なんで、さっきの話じゃないですけど、勝って東の意地を見せたいです。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ