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無料記事:[東京都3部参入戦]闘魂、2回戦も勝利し28日の昇格決定戦へ進出 1ゴール2アシストの稲田「動けないんでね、経験出しながらですよ」(2016/2/27)

リーダー難波田との連携でチームをけん引する稲田。

 

闘魂はこの日、1回戦ハットトリックの横山の不在を感じさせなかった。

 

闘魂の対戦相手、DREAM futsal club。ある選手は敗戦に「経験の差ですかね」と語った。

 

開始59秒で中沢が先制弾をたたき込んだ。稲田のロングパスをダイレクトで決めた。

 

高い位置でシュートを放つフィクソの難波田。フットサルが楽しくて仕方がない、そんな雰囲気が伝わってくるようだ。

 

粘っこいディフェンスを見せる稲田。これがこの選手の持ち味でもあり、ディフェンスを重視する“チーム難波田”で替えのきかない存在となっている。

 

7分59秒に稲田によるキックインからゴールを決めた荻窪は、この後19分にも難波田のアシストでこの日2点目を決めた。写真はこの後ドリブルで運ぶシーン。

 

「受けたらトラップでボールを動かそう。止まってるぞ」。ハーフタイムに基本的な動きの指示もする難波田だった。

 

16分25秒、難波田がファールをもらいフリーキックを得た。足がかかったかに見えた瞬間の倒れ方も堂に行っているから恐れ入る。

 

キッカーは稲田。

 

稲田がこれをきっちり決め難波田らがガッツポーズ。

 

押せ押せの闘魂は19分に難波田のアシストで荻窪がこの日自身2点目のゴール。

 

最後は昨年夏に入団した“大型新人”矢口がチーム5点目のゴール。

 

矢口は2011年までFリーグ・デウソン神戸のアスピランチにいた選手だ。

 

「矢口のゴールのアシストはゴリです! 相手のボールを奪ったのもゴリです! そう書いてください! くどいですか!?」、そうアピールしたのはゴリこと佐藤秀哲(写真右)だった。

 

横綱の土俵入り、じゃなくて、後半途中から出場し守備に奮闘したキャプテン佐藤竜。2人の佐藤の腹まわりは存在感に満ちていた。

 

勝利をたたえ合う闘魂の面々。先発したゴレイロの石渡は完封勝利に大きく貢献した。

 

2015年度東京都フットサル3部リーグ参入戦 2回戦
DREAM futsal club 0-5 闘魂
2016年2月27日(土) 府中市総合体育館第2体育室

[得点経過]
0-1 0分59秒 闘魂 4中沢亮太
0-2 7分59秒 闘魂 13 荻窪孝
0-3 16分25秒 闘魂 17 鈴木嘉成
0-4 19分00秒 闘魂 13 荻窪孝
0-5 22分16秒 闘魂 9 矢口和哉
※試合は12分プレーイングタイム

 

国分寺ブロックで優勝し参入戦出場

東京都3部リーグの下に位置するオープンリーグ。そのカテゴリーで奮闘するのが闘魂だ。リーダーは元日本代表選手でFリーグでも活躍した難波田治。メンバーはほとんどが30台40台のベテランぞろいだが、それがなんともいえないムードを醸し出している。その闘魂がオープンリーグ国分寺ブロック1位の資格で3部参入戦に出場。1回戦で代々木ブロック1位のクリアソンを9-3で破り、この2回戦でミズノフットサルプラザ調布ブロック1位のDREAM futsal clubと対戦、完封勝利を飾った。BRBが都1部から関東リーグ2部に昇格した関係から今季はオープンリーグから3チームが3部に昇格できる。その3チームを決める28日の決定戦を前に2回戦のマッチレポートをお届けしよう。

まとめ◆デジタルピヴォ! 山下

 

稲田のアシストで中沢が先制ゴール

このピッチは横18mに対して前後方向が31mと極端に短い。しかも12分プレーイングタイムと試合時間が短いこともあり、無謀な攻めからの失点は取り返しがつかない事態を招きかねない。そこで難波田選手兼任監督が考えたゲームプランが「引いて守る」だった。そのとおりの慎重な入りを見せた闘魂だったが、先制点は意外なほど早く決まった。試合開始からわずか59秒後、ハーフ付近でボールを受けた稲田が右に抜けた中沢にロングパスを放つと中沢はこれをダイレクトシュート。ボールは見事にゴールネットを揺らした。そのシーンを稲田はこう語った。
「あの瞬間、相手がボールウォッチャーになってたんですよ。亮太(中沢)にも寄せてはいたけど動きを封じられるほどではなかった。そこで亮太がいい動きから裏をとってくれて。オレは出すだけでした」
難波田もそれを裏づけるようにこう話している。
「相手の数はそろっていたのに、イナのパスはその間を縫うように突いてゴールにつながった。あれで自分たちのペースになった」

2点目も稲田のアシストから生まれた。7分59秒、相手のベンチ前でキックインを得ると稲田はゴール前に強いボールを入れた。ゴレイロがセーブしたかに見えたがハンブルし、その正面にいた荻窪が押し込んだ。稲田によるとDREAMは「キックインになると切り替えが遅く休む傾向があった」という。その弱点をついてゴール前に蹴り込んだ頭脳プレーだったのだ。

3点目は稲田自身のフリーキックから生まれた。16分25秒、ドリブルを仕掛けた難波田が後方からのファールを受け闘魂は相手ゴールまで13m、やや左寄りの位置でフリーキックを得る。キッカーを任された稲田は蹴る前に難波田に誰がどうブロックに入るか確認している。ところが難波田は「好きなように蹴れ」とひと言。これで稲田は迷うことなく蹴り、そして決めた。3-0。公式結果では、ゴールを決めたのは「鈴木嘉成」となっているがほぼ100%稲田のゴールだった。

これで稲田は1ゴール2アシスト。そのいずれもが動きのない中からのもの。そのことに話が及ぶと稲田はさらりとこういった。

「動けないんでね、経験出しながらですよ」

なんという深みのある言葉だろう。今年39歳になるだけに、走れば後半は疲労が蓄積される。そうなればチームのポイントゲッターとして、パサーとしてプレーの精度が低下する。ましてや「練習はしないし、決まった戦術もない」チームだ、「個々が経験をベースにどうすればいいかを判断し実行しているだけ」(稲田)。全てはその場その場の対応力がモノをいっている。恐れ入谷の鬼子母神だ。

闘魂はその後も攻撃の手を緩めず、19分に荻窪がこの日自身2点目をゲットした。このゴールは相手サイドで相手のトラップが甘くなったところを難波田が体を寄せていって奪い、左を抜けた荻窪にラストパスを供給したのだった。「引いて守る」から入ったが、状況に応じて攻撃的なディフェンスからボールを奪いゴールにつなげる。これ以上ない展開だった。

さらに22分16秒には矢口がチーム5点目を決めているのだが、これも相手サイドでゴリこと佐藤秀晢がボールを奪って矢口にラストパスしたものだ。ちなみにゴリに誘われて闘魂に入団した矢口はつい最近まで府中アスレティックFC女子アスピランチの監督を務めていたが、闘魂で選手として活動するためにコーチ登録から選手登録へと切り替えている。闘魂には不思議な求心力があるようだ。

試合後に難波田選手兼任監督はこうコメントしている。
「『3部に上がって体育館で試合をしよう』を合言葉にみんなと頑張ってきました。
参入戦に出たことで、たとえ3部に上がれなくても、来季は体育館で試合をするチャレンジリーグに回ることが決まってるんですよ。でもチャレンジリーグは自主運営らしいと聞いているので、ここまで来たら明日しっかり勝って3部に上がりたいです」
チャレンジリーグのことはこの後ミーティングでみんなに伝えていた。
ネガティブな情報を伝えることはメンタル面でマイナスという判断もあるかもしれない。しかし難波田は包み隠さず話した。選手たちは百戦錬磨のツワモノばかりだ。それで、“なんだ負けてもいいのか!?”とは受け取らないという大人の判断が働いているに違いない。そういうことも含めて難波田流がこのチームのテーゼになっている。
ちなみに、チャレンジリーグとは、「前年度の参入戦に出場したチームで、トーナメントを勝ち抜けなかったチームが翌年度に1つのグループを形成して1年間のリーグ戦を行い、その上位2チームは翌年度の3部へ自動昇格する仕組み」の1年間限定リーグだ。

 

▪️2月28日の対戦カード
11:00 決定戦1 Sorpresa edogawa(3部B7位) vs. 府中アスレティックFCサテライトB(オープンリーグ府中SGブロック1位)
12:30 決定戦2 闘魂 vs. SPIGA(3部A7位)
<時間未定> 3位決定戦 決定戦1敗者 vs. 決定戦2敗者

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