【無料記事】【フットボール・ブレス・ユー】第36回 プロセスが生き続ける ~東京ヴェルディユース 2018 秋風~(18.10.3)
第36回 プロセスが生き続ける ~東京ヴェルディユース 2018 秋風~
なるほどなあ、と妙に合点がいく思いだった。
9月22日、高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2018 関東の第14節、東京ヴェルディユース vs 矢板中央高校(ヴェルディグラウンド)。東京Vユースは徹底的にボールを握り倒した。狭いスペースを苦にせず、人と人の間を縫うようなパスワーク、遠くを意識しながらのボールの動かし方は、それはもう見事なものである。首位の矢板中央高の寄せをまったく問題にしない。夏を越え、個人が着実にレベルアップしているさまも見て取れた。
東京Vユースは飯島蓮(3年)のドリブル突破から早い時間に先制点を挙げた。その後もチャンスをつくり、後半は波状攻撃を仕掛ける場面があった。ポストを叩くシュートもあった。だが、試合を決める追加点が奪えない。ゲーム終盤、矢板中央高のパワフルな攻撃を受け、アディショナルタイムにクロスからヘディングシュートを叩き込まれた。
ボールポゼッションで圧倒しようが、結果はドロー。双方に勝点1が入る。パスを20本つないで鮮やかなゴールを決めても、ロングボールを押し込んでも1点は1点。その価値は変わらない。不条理もまた、サッカーの一部である。
飯島と松橋優安(2年)はこう語る。
「得点の場面は、サイドから仕掛ければあのスペースがあくのはわかっていたので。監督からも勝負しろと言われていました。今日はみんな集中していたんですが、最後に隙を与えてしまい勝ち切れなかったです。(順位の)下を気にするより、上にいくことを考えてやっています」(飯島)
「最後の失点は悔いが残りますね。ファーの選手がフリーになっていて自分がいこうとしたんですが、少し遅れてラクにヘディングをさせてしまった。リーグ後半戦は結果を出し、プレミアリーグ参入戦にいきたい」(松橋)
10チームで争うプリンスリーグ関東は第14節を終了し、東京Vユースは7位(勝点16)。4位の三菱養和SCユース(勝点18)から10位の桐光学園高校(勝点14)まで、勝点4差に7チームがひしめく混戦となっている。一方で、プレミアリーグ参入戦出場資格が与えられる3位大宮アルディージャユースは勝点22と、可能性は残されている。