【無料記事】【フットボール・ブレス・ユー】第47回 18人いる ~東京ヴェルディユース 2019 小春~(19.12.21)
開始から東京Vユースが優勢にゲームを進めた。センターバックは山本と藤田のコンビ。パス交換を繰り返して相手をおびき寄せ、空いたスペ-スにボールを入れていく。または長いボールを使って、一気に攻撃を仕掛けた。
先制ゴールは、石浦の華麗な個人技から生まれた。25分、ポケットの位置でボールを受けた石浦は頭上にボールを浮かして相手をかわし、中央にラストパス。ゴール前の狭いスペース、家坂葉光(2年)がくるっと反転してコースをつくり、シュートを突き刺す。
ゴールを決めた家坂は、ピッチの外で見守るベンチ外の選手たちのもとへ一目散に駆け、喜びを分かち合い混然一体となった。
42分の追加点は、コンビネーションで完璧に崩したものだ。最後は遠藤海斗(3年)のシュートをキーパーがはじき、こぼれ球に詰めたのは天満恭平(3年)である。
後半も東京Vの勢いは止まらない。47分に三枝新汰(3年)、50分に石川がゴールを決め、4‐0と早々にゲームを決めてしまった。
以降、中後コーチは次々に交代カードを切り、故障明けの坂巻日向(3年)、松橋優安(3年)もピッチに立っている。
ゲームはこのまま東京Vが勝利を収め、7位でプリンス関東の残留を確定させた。
「優安とマッキー(坂巻)にどうしても点を取らせたかった。それで欲張り、パスミスからカウンターを食らったのはよくなかったですね」
と石浦は言うが、苦楽をともにした仲間を思う気持ちはほかの何にも代えがたいものだろう。彼らはその季節のど真ん中を生きる。