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【無料公開】福島成人実行委員長が語る注目作品 ヨコハマ・フットボール映画祭2020<2/2>

映画以外にも楽しみなイベントが目白押し

──いよいよ最後の作品なんですが、ちょっと毛色の違ったものが入っていました。タイトルが『わが青春のイレブン』。監督の降旗康男といえば、巨匠じゃないですか! いつ頃の作品なんでしょうか?

福島 1979年ですから、今から40年前の作品ということになりますね。

──なるほど、確かに時代を感じさせますよね。出演者が永島敏行に斉藤とも子、川崎麻世まで出ている! しかも土のグラウンドでサッカーやっているし。これはどういう経緯で、今回上映されることになったんでしょうか?

福島 この作品を制作したのは、独立系の家城プロダクションなんですけど、上映後に長らくパッケージ化されていなかったんです。最近になってDVD化されたので取り寄せてみたんですけど、これが「日本にもこんなサッカー映画があったのか!」という、ちょっとした驚きがあったんですね。

──降旗監督といえば、高倉健主演の『鉄道員(ぽっぽや)』が代表作で、去年亡くなられたばかりですよね。サッカー映画を作っていたとは知らなかった!

福島 これは僕のかねてからの主張なんですが、いわゆる「巨匠」と呼ばれていて、なおかつ商業的にも成功している監督って、その多くがサッカー映画を撮っているんですよ。ケン・ローチでしょ、エミール・クストリッツァでしょ。それ以外でも、ジャファール・パナヒ、アルフォンソ・キュアロン、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、ギレルモ・デル・トロ、アッバス・キアロスタミ、そしてヴィム・ヴェンダース。この系譜の中に、実は降旗さんも入っていたという事実を知ってもらいたくて(笑)。

──自説の正しさを証明するチョイスでもあったんですね(笑)。内容的には競技としてのサッカーの再現性もさることながら、当時の学生サッカーの風景というものが随所に盛り込まれているのが興味深いですね。

福島 でも、この頃の学園ドラマって、サッカー部を舞台にした作品もいろいろあったんじゃないですかね? 中村雅俊主演のドラマとか。

──『ゆうひが丘の総理大臣』はラグビーでしたね。サッカー部を描いた学園ドラマは、60年代後半から70年代前半くらいにいくつかあって、最も有名なのが72年の『飛び出せ!青春』。ただ70年代の半ばから80年代にかけては、むしろラグビーのほうが主流になっていった印象があります。ドラマの世界でも「日本サッカー冬の時代」は始まっていたわけで、その意味でも79年の日本サッカーを描いた作品というのは貴重です。

福島 それこそ「サッカーは不良のスポーツ」みたいなイメージがあった時代ですよね(笑)。実際、そういった魅力もあったわけですが。

──この話題は話し出すときりがないので(苦笑)、そろそろまとめに入りましょう。会場は昨年と同じ横浜市開港記念会館で、今年はいつもよりちょっと早い1月25日と26日の土日2日間の開催。映画上映以外にも、いろいろイベントがあるようですが。

福島 そうなんですよ。今年は、ザスパクサツ群馬サポ―ターの芸人シロたろしさんプロデュースの横浜サッカー芸人フェスティバルが開催されます。山形サポのシンディーさんや、イニエスタでおなじみのアイアム野田さん(鬼ヶ島)、ディエゴ・加藤・マラドーナさんなど、サッカー好きの芸人さんが集まって大喜利やコントを披露くださいます。世界広しといえど、イニエスタとマラドーナに会える映画祭はYFFFだけと断言できます!

──それはすごい(笑)。

福島 また、恒例の「フットボール文化祭」では、同人誌だったりアート作品だったり、フジロックの名物企画、Jリーグ苗場支部のメンバーがフェスへの参加方法を指南くださいます。僕たちは「サッカー映画」でずっとやってきましたけれど「サッカー小説」とか「サッカー音楽」とか「サッカーコント」とか、いろんなジャンルと掛け合わせながら、どんどん仲間を増やしていってほしいと思っています。

──非常に楽しみです! で、チケットの購入はどちらで?

福島 YFFFの公式サイトからパスマーケットのシステムで飛んでいただいて、そこで購入することができます。少し高くなりますが、当日券もご用意しています。それと1月27日から31日までは、横浜のシネマ・ジャック&ベティさんでいくつかの作品は追っかけ上映することになっています。週末に来られない方は、そちらのほうもチェックしてみてください。

──シネマ・ジャック&ベティって、第1回YFFFの会場でしたよね。第10回という記念すべきタイミングでの原点回帰というのも、非常に感慨深いものを覚えます。というわけで福島さん、今日はありがとうございました。また会場でお会いしましょう!

<この稿、了>

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