宇都宮徹壱ウェブマガジン

【無料再掲】「いろんな色のユニフォームを着た人たちが楽しめるお店にしたい」ふくやん(KITEN!店長)インタビュー<1/2>

余所が「浦和対鹿島」ならこっちは「愛媛対群馬」

──KITEN!というお店の名前、すごくいいと思うんですけど、最初からこのアイデアだったんでしょうか?

ふくやん 実は最後の最後まで悩んだんです。ご存じのように、僕はアビスパ福岡のサポで、『OUTSIDE FUKUOKA』というユーストの番組をやっていたんですね。中倉(一志)さんという福岡のライターさんがやっている『INSIDE FUKUOKA』っていう番組があるんですが、それを関東からオマージュをやろうと。その流れで、お店の名前も『OUTSIDE KITCHEN』にしようかと思ったんですけど、長すぎるしオシャレだし(笑)。

──やっぱりKITEN!のほうがいいですよ。「起点」にも「機転」にも通じるし。

ふくやん それとKITEN!って博多弁で「来てね」という意味があるんです。ぱっと言えるようなネーミングにしたいなと思って、これに決めました。

──ところでお店で流している試合って、どちらかというとJ2の試合が多いですよね。これはやっぱり狙っています?

ふくやん 狙っています。さっきも言いましたように、J2党に来るようなお客さんをターゲットにしていますから。他のスポーツバーだったら、浦和レッズ対鹿島アントラーズを見せるだろうけど、こっちは同じ時間帯の愛媛FC対ザスパクサツ群馬をやっています、という感じです。

──確かに『FooTNiK』なんかだとJ2は流しませんね(笑)。サッカー以外の競技も流しています?

ふくやん プロ野球も開店当初から流していますよ。店内にTV画面が3つあるので、それぞれ別の試合を見せるというのは売りにしていました。サッカーと野球を両方見せることはしょっちゅうでしたし、「プロ野球ナイト」というイベントもやっています。ただサッカーとは違って、プロ野球のポスターってあまり手に入らないみたいで、店でもほとんど貼っていないんですよね。逆にBリーグのポスターは最近増えました。信州ブレイブウォリアーズとか東京サンレーヴスとか。

──こうやってポスターで埋め尽くされるようになったのはいつ頃からですか?

ふくやん お店を始めて1年も経たない頃ですね。最初は全部見えるように、隙間なく貼っていたんですけど、そのうち鹿島の上に東京都2部のアローレ八王子が貼られたりして(笑)、すぐに収拾がつかなくなっている感じですね。

──お店をやってみて「これはいける!」って思ったタイミングっていつ頃ですか?

ふくやん 最初の3カ月は不安でしたね。お祝いで来てくれるお客さんは多いんですが、2回目はなかなか来てくれなかったりする。何か手を打たないといけないと思って、トークイベントを始めるようになりました。J2党のコネクションはあったし、あと野球ファンを集めて観戦会とかもやりましたね。ここは防音の施設が施してあるので、ちょっとくらい騒いでも大丈夫なんですよ。他のお店で断られたようなお客さんが30人くらい来て騒いだこともありました。さすがにその時は、大家さんが飛んできましたが(笑)。

──14年はワールドカップイヤーじゃないですか。それも追い風になったのでは?

ふくやん なりましたね、おかげさまで。椅子と机を外に取っ払って、40人ぐらい入ったんじゃないですかね、コートジボワール戦は日曜の朝10時だったんですけど、5000円で飲み放題にしたら満席になりましたね。まあ、結果は残念でしたが(苦笑)。

──ワールドカップは4年に一度のお祭りですが、他にもいろんな大会や競技を見せられるのが強みですね。

ふくやん そうですね。この間も野球のWBCで盛り上がりましたし、Jリーグのチャンピオンシップとかチャンピオンズリーグとか、何かしらに引っかかってくれるお客さんがいるのがありがたいですね。ちなみに五輪だと、テニス、卓球、カーリングなんかはお客さんが集まりますけど、みんなで応援しながら盛り上がれるとなると、やっぱりサッカーと野球になってしまいますよね。

<2/2>につづく(5月1日12時更新予定)

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