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J2初のタイ人選手が誕生! 徳島ヴォルティスがタイとフランスのハーフMFチャキットを獲得【日泰移籍情報】

チャキットの徳島移籍を報じるタイのメディア「SIAM SPORT」

J2徳島ヴォルティスは26日、タイリーグのバンコク・グラスFC(来季からのチーム名はBGパトゥム・ユナイテッド)よりMFチャキット・ラープラグーンが期限付き移籍で加入することが内定したと発表した。

同選手は、クラブ公式サイトを通じて以下のようにコメントしている。

徳島ヴォルティスのファン・サポーターの皆さん、はじめましてチャキットです。来シーズン、徳島ヴォルティスの一員としてプレー出来ることをとても嬉しく思っています。来シーズンがJ1昇格という目標を達成する素晴らしいシーズンになるよう、自分の持てる最大限の力を尽くします。そして、クラブの関係者の皆さま、このようなチャンスを与えてくださり感謝します。徳島の皆さん、お会い出来る日を楽しみにしています!

<チャキットのプロフィール>
■生年月日 :1994年12月2日(24歳)
■出身地:タイ
■身長・体重:181cm・75kg
■ポジション:MF
■チーム歴:アントーンFC→バンコク・グラス

J2を戦うチャキットが背負う「日泰移籍」の近未来

タイ人とフランス人のハーフであるチャキットは、J2でプレーする初のタイ人選手となる。また、サンフレッチェ広島のティーラシン、ヴィッセル神戸のティーラトン両選手の去就はまだ正式発表されていないため、来季のJリーグでプレーすることが確定しているタイ人選手としては北海道コンサドーレ札幌のチャナティップに続いて2人目だ。

一昨年からJリーグでタイ人選手がプレーするようになったが、日本でプレーするタイ人には大きく分けて2つのパターンがある。ひとつはタイのトップ選手がJ1でプレーするパターンで、今季Jリーグのベストイレブンにも選出された札幌のチャナティップを筆頭に、広島のティーラシン、神戸のティーラトンがこれに該当する。もうひとつは有望な若手選手がJ3でプレーするパターンで、2018年までFC東京U-23で戦ったジャキット、セレッソ大阪U-23に所属したチャオワットらがいる。それぞれFC東京はバンコク・ユナイテッド、セレッソ大阪はバンコク・グラスとのクラブ間提携を背景に獲得した選手だった。

チャキットの場合はこのどちらにも当てはまらないパターンといえ、舞台がJ2であることも興味深い。2017年から徳島を率いるスペイン人のリカルド・ロドリゲス監督はかつて、チャキットの所属クラブであるバンコク・グラスをはじめ、ラチャブリー、スパンブリーと計3つのタイリーグ所属クラブで監督を務めた経歴を持つ。その縁もあって徳島は近年、タイとのつながりを持つクラブのひとつとなっていた。

「提携国枠」制度によってタイ人選手は外国人扱いとならないという大きなメリットがあるだけに、今後はJクラブがそれぞれのチームのニーズに合わせて必要なタイ人選手を獲得するパターンも増えていく可能性が十分にある。もちろんチャナティップほどのスペシャルな選手となると限られるが、「Jリーグで戦力となれる可能性がある」という基準であればタイにはいくらでも才能が埋もれている。そういった流れが生まれるきっかけとなれるか、来季、徳島で戦うチャキットには期待したい。

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