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「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

生き残りを懸けたホーム2連戦直前! 橋本大輔社長を緊急直撃。「僕らはクラブ全体で闘わないと勝てないチームだと思っています。だからサポーターの皆さんにも一緒に闘ってほしいんです」【インタビュー】【無料記事】【再掲載】(19.9.10)

厳しい戦いを強いられているチームは9月、残留争いの直接対決の連戦に突入する。ここまでシーズンを通してわずか4勝。監督の解任を叫ばれても仕方がない戦績で低迷するチームをフロントはどう見ているのか。クラブの橋本大輔社長に緊急インタビューを敢行した。(インタビューは30節水戸戦の直前に実施)

 

※本記事は9月6日に掲載した有料記事を無料で再掲載したものです。

 

栃木のような小クラブが監督をコロコロ変えるわけにはいかない

 

――橋本社長が現状をどう捉えているのか。サポーターはそこを知りたいと思っていると思います。水戸戦直前の時点で、29試合で4勝。戦績的に途中で監督を変える判断があってもよかったのでは、という向きも当然あると思います。

「夏の補強前、前期戦の戦いぶりから、どこかでチームが力を発揮して勝点を積んでくれるんじゃないかと信じる半面、このままだと残留争いもある、という両方を考えていました。ただ、その残留争いや降格ということについては、それは、このまま何もしなければそうなるだろう、ということです。ならば手を打とうとしたのが夏の補強でした。早い段階から相当に危機感はありました」

――夏のウインドーが開こうとするタイミングで強化部長が辞任するアクシデントもありました。その時期に、監督を変える判断はしなかった。

「夏の補強の判断はだいぶ前から検討していました。以前、強化部長との中で監督交代の話が出たのは事実ですが、監督を変えるという選択ではなく、選手を補強することをクラブとして判断しました。クラブはそう簡単に監督交代はしてはいけないと感じています。他クラブでは半年で変えたりするクラブもあると思いますが、栃木の現状としては、そう簡単にコロコロ変えるわけにはいかないし、コロコロと変えていたら栃木には監督も選手も来てくれなくなることだってある。状況をみながらその時その時でできる最善の方法を考えてます。総合的に判断し、今年は監督のことを信じて、支えていこうというスタンスです

仮に田坂監督が複数年契約であれば、1年目で解任した場合は違約金が発生するし、その上で、現状でフリーの立場にある指導者と今季の残りと、最低でも来季の契約まで結ばないといけないというのがサッカー界の相場だ。現状でフリーの指導者のなかに、自信をもって来季まで託せる優秀な指導者はどれだけいるのか。そんな危険な賭けに打って出る余裕はこのクラブにはないだろう。

 

今季前半戦の苦境を受けて自主性からの方向転換

 

――少し前の話に遡らせてください。シーズン前、クラブは「もっとお客さんを沸かせるサッカーを」というクラブの共有を作りました。そして監督候補リストのなかの田坂監督が来られて、クラブフィロソフィーに沿ってやってください、というチャレンジの1年を迎えました。田坂監督は就任会見のときに「去年のベースを引き継ぎつつ、速い攻撃にプラスαする、今年のテーマは遅攻の精度を上げる」というニュアンスのことを話されていました。その遅攻の一つがポゼッションなのだと思います。ただ、その取り組みの過程に難しさが出たのだと思います。

「クラブから監督にオーダーを出したのは、特に技術的なことではないんです。勘違いをしている人が多いのですが、クラブから一度も『ポゼッション』という言葉は使っていないんです。オーダーとして伝えたのは『攻守ともにスピード感が溢れ、スタジアムが沸くサッカーを目指してください』ということ。去年まで作り上げたものがベースとなり、走る、球際で負けない、闘う、それらが大前提になります。だからクラブには、それをやっていない選手は外れるべきだ、という考え方もあります。ただ、そこまで僕らフロントが監督に詳細に伝えてしまうと現場介入になるので、クラブの考え方としてはこうですよ、という程度のことしか伝えていません」

――シーズンが始まって実際にその考え方について足りていない選手もいました。

「田坂監督はこのクラブの歴史を調べて栃木に来てくれていて、それまでの栃木にあった習慣や雰囲気の中でも良いものは残し、悪いものは変えたいという思いがありました。それが当初は選手の自主性を重んじよう、もっとサッカーを楽しんでほしい、という狙いに繋がったのだと理解しています。今でもそうですが、田坂監督は選手たちに『準備を大事にしろ』と言い続けています。あくまで選手たちを伸ばそうとしている一環だと受け止めています。選手たちにはある程度は自分たちで考えて、話し合える力が必要だと思っています。それは育成年代もそうだし、どこの企業でもそういう人材を欲していると思います。去年、あるセミナーで脳科学者が言っていたのですが、AIが発達する将来、今の子どもたちに求められるのは、何かを成し遂げるときにみんなで話し合って解決できる力だと。まさしくうちのクラブもそうだなと。田坂監督に『自分たちで考えてやっていける選手を育ててもらいたい』という話をしたことはあります。ただ、そういう方向性を目指すなかで今季の途中で難しいと感じたこともあり、監督には何回か伝えたことがあります。『選手の自主性を期待するのが結果に繋がらなければ少しやり方を変えてもらっても良いです』と。ただ、そこでも監督は選手たちを信じたんです」

――前半戦が終わるまでは我慢していたと思います。

「はい。でも(最下位に転落した)12節徳島戦(●2-3)が一つの転機でした。当時の強化部長から監督に何らかの話があって、僕からも『もうちょっと選手たちに細かく言ってあげたほうがいいかもしれない』と伝えたことがありました。あくまでも結果と当時の状況に対する意見として。その日、田坂監督はスポンサーへの営業にも一緒に行ってくれたんです。そんな監督も初めてなんです。その夜に話したのですが、結果として『今後は細かく突き詰めてやっていきます』という話をしてくれました。改めて栃木は走って闘うことがベースにある、という部分を再確認したのですが、そこからじゃないですかね、徐々に闘えるようになってきたのは」

――ちょうど徳島戦のあと、甲府戦の前の週の出来事でした。

「だから甲府戦(1-0で勝利)は闘う姿勢が見えたのだと思います。クラブからは『とにかくしっかり闘ってほしい』とだけ伝えて再出発した、というのがその頃の流れです」

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