無料記事:2016Jリーグプレスカンファレンス/浦和レッズ・柏木陽介、柏レイソル・大谷秀和コメント

■MF 10 柏木 陽介(浦和)
ーー鹿児島・指宿キャンプを終えて。
「なかなかキツいキャンプだった。まだメンバーも決まっていないだろうし、どんな形で試合に入っていくかは分からない。個人的には昨年からのけがもあるし、100パーセントのコンディションで臨めるかはまだ不安要素がある。ただ良い選手はほかにいるから大丈夫。(伊藤)涼太郎は久しぶりにサッカーセンスがある選手だなと思ったし、駒井(善成)もキレのある選手。駒井はけが人の状況もあって、なかなか自分のやりたいポジションで出られていなかったけど、能力はあるなと思う。(遠藤)航はどのポジションもこなせるユーティリティー性はあるし、賢い選手でもある。若いのにちょっと落ち着き過ぎかなというレベルにあるんだけど(笑)。いまは新加入選手が入りやすい環境にあるし、順応するのに問題はないと思う」

——昨季はリーグ戦では年間勝ち点2位、天皇杯で2位で準優勝と、タイトルまであと一歩届かない状況が続いています。タイトルを獲るためには何が必要だと思いますか?
「それをずっと考えたけど、それが分かっていたら勝てたよねという結論に達した。その中でも何があれば勝てたのかと考えたときに、このチームは勝負どころの試合になるとみんなが楽しもうという話をする。それはプレッシャーの裏返しなんじゃないかという気がしている。もっと緊張感を持って試合をしたほうがいいし、無理に楽しもうとするから内容は良いけど、勝てないのかなと。良いサッカーをして勝つことがベストだけど、勝たないと意味がないという重要な試合での勝者のメンタリティーを持たないといけないというか、勝つためのサッカーをしないと。勝負どころで良いサッカーをすればOKという試合はいらないなと思った」

——その一方でACLを勝ち抜くためには?
「ACLはターンオーバーで戦っていくと思うけど、アウェイでは最低でも勝ち点1を拾って負けないことが大事。あとは泥臭い試合になると思うので、オレのような選手が出るよりもガツガツと行ける選手が出たほうが良いかもしれない。臨機応変に見極めてやっていければ。オレとしては出られる試合には出たいという思いがあるし、そういう相手に対してどれだけできるか、フィジカルが通用するのか、どれだけ厳しいプレッシャーに耐えられるのか、試してみたいという気持ちもある。だからアウェイの環境は望むところ。ACLを獲りたいという気持ちはチームとして強いけど、Jリーグのタイトルも欲しいと思っている。もちろん全部を獲りに行きたいけど、そんな欲を言える立場なのか。そう思うといまチームに必要なことは一つのタイトルを獲ることなのかなと思う。もちろん全部を獲るために戦うけど、どれに照準を定めるか、何をメインにするかはチームとして統一していかないといけない」

——ACLのグループは自力でクラブW杯に出場した経験を持つチームがそろったグループです。
「逆に楽しみかな。強いチームと最初に対戦しておいたほうがいい。グループステージを突破したことがないからまずは突破したい。強いグループの中で勝ち上がっていくと次につながっていく。広州恒大とは最初に対戦しておきたかったし、強いと言われているけど、オレはウチのほうが強いと思っている。広州以上に良いサッカーをしていると思っているし、広州には自分たちの良いサッカーで勝ちたいと思う。対戦した中で広州が一番強いとは思っていないし、韓国のチームとか蹴ってくるチームのほうがイヤ。(鹿児島・指宿キャンプで)蔚山と試合をしたときも相手が蹴ってこない時間帯には良いサッカーをできていたけど、後半に風向きが変わったときにプレスに行って蹴られてしまう時間帯が多くなって逆転された。そういうときの戦い方を考えないといけない」

——今年1年はどんなシーズンにしたいですか?
「もういろいろなところで言っているけど、まずは楽しみたいなと。それが原点で、一番良かったのは、試合中に笑顔で戦えたときというのがあるので、そこを意識してやっていきたいなと。それが自分の良いプレーにつながって、それがチームの良いプレーにもつながっていく。レッズに来てからいろいろなプレッシャーを感じて、レッズだからタイトルを獲らないといけないと戦ってきたけど、そのプレッシャーが重たかったので、それを一度取って、まずはサッカーを楽しむこと。それを自分の良さにつなげて、それが見ている人に魅せるプレーとなって良いプレーにもなっていく。サポーターの熱い思いを受け止めた中で、変な思いを取り除いてプレーしていきたい」

——背番号10について。
「背番号はそんなに重要な時代ではないのかなと。でも世の中はそうなんやろうし、エースナンバーは10だとは思っているけど、自分のスタイルを変えるつもりはない。ただ以前よりは良いプレーをしないといけない」

——自分自身の課題についてはどう感じていますか?
「消えている時間を少なくしたい。どんなにボールを受けられない状態でも、どこかに顔を出してボールに触りに行ってリズムを作ること。今年はより自分が前へ出て行けるように攻撃的なボランチとしてやれるような状況を作りたい。ボランチで10点を取れる選手。それがサッカー界では理想とするボランチなのではないか。そういう選手になりたい」

——代表の活動を通じて、キャリアの注目度が高まったと思いますが、今年にどうつなげていきたいですか?
「代表に入ったことはありがたかったけど、何かを成し遂げたわけではない。少し結果は出せたけど、何も満足はしていないし、相手も相手だった。代表定着だろうと言ってくる人もたくさんいるけど、全然そうは思っていない。足りない部分のほうが多い。本当にレギュラーをつかむにはまだまだ足りないという気持ちが強い。プレッシャーはあるけど、逆に頑張りどころでもあるから楽しみ。もっと良くなれるんじゃないかという気持ちがある。いろいろな人に注目してもらえることはうれしいし、そんな中で自分の良さを出したい。子どもたちにはドリブルが主な時代で、1対1に強い選手が求められる世の中かもしれないけど、身体能力がなくてもパスが出せて、一線で活躍できるところを子どもたちに見せてあげたいという気持ちが強い」

——U-23代表の遠藤選手など、新加入選手によって刺激を受けていますか?
「刺激は特にないし、航とはタイプが違うので。レッズは2チーム分できるチームだと思っているし、そういう意味では良い刺激になっている。レギュラー争いをすることで強くなっていくと思っているので楽しみにしている」

 

■MF 7 大谷 秀和(柏)
——鹿児島・指宿キャンプやちばぎんカップを戦って、いまのチーム状態をどのように感じていますか?
「監督も代わったし、やるサッカーも変わっている。始動してからキャンプを経て、監督のやろうとすることを早く吸収しようとやっているし、強度の高いトレーニングができて良いキャンプを過ごせたと思っている。ちばぎんカップ(千葉に0●3)ではやりたいことを表現できなかったけど、自分たちの新しい課題も見付かったので、ここまでは大きなけが人も出ておらず、チーム作りは順調だと思う。メンデス監督はネルシーニョ監督に似ている部分もあるし、(吉田)達磨さん(柏・前監督)がやっていたサッカーすべてを崩すというよりは、以前のサッカーを少し取り入れつつ、昨季もやっていたボールを動かす部分は監督も取り組んでほしいと言っているので、(以前のサッカーに)メンデス監督のやりたいことをプラスしてできればいい。浦和はペトロヴィッチさんでずっと長くやっているし、やりたいことがチームとして明確で、それを表現できるだけのクオリティーの高い選手が何人もいる」

ーー指宿で浦和と対戦したときの相手の印象は?
「キャンプでレッズとトレーニングマッチをやったと言っても、60分の試合だったし、彼らは前日ハードな2部練習をしていたけど、僕たちは前日に(試合に向けての)調整をしていた。ウチの選手たちはやりたいことを多く出せたけど、浦和のコンディションの事情もあるので結果は気にしていない。開幕戦のレッズはその前にACLの試合があるし、コンディションも整った状態で試合に臨んでくると思うので、実際にお客さんも入る中で戦って、レッズが強い相手であることは変わらない」

——ホームで戦えることはアドバンテージなのでは?
「レッズのサポーターがどれほど来るかは分からないけど、監督が代わって、天皇杯でレッズと対戦したときとはメンバーも半分ぐらい代わっている。その中でも日立台でプレーできることはアドバンテージになる。サポーターの方々が抱いている期待をさらに沸き立たせるような試合をしたい」

——レッズと対戦する中でここはレッズのストロングポイントだなと思うことは?
「ボールの出所を抑えないといけない。前にボールが出たら抑えないといけない選手はたくさんいるけど、10番を背負っている(柏木)陽介が輝くような試合になると浦和のペース。彼の特長をチームとして消していければいい。ただ、たとえそこでパスが通っても、全員で守って全員でしっかり攻めていこうという戦いの中で、最後のところでは粘り強く戦っていきたい」

——今年のレイソルのサッカーはどんなスタイルなのでしょうか?
「キーワードは“全員攻撃・全員守備”。その中で昨年よりはスピーディーな部分がゲームの中で出るので、スピード感はあると思う」

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