松沢呉一のビバノン・ライフ

著作権利用料を払わない店と「日本の音楽これで委員会」の試み(松沢呉一)-[無料記事] -1,759文字-

静岡のライブハウスで楽器の使用差し止め

 

vivanon_sentence「JASRAC」で検索して「ビバノンライフ」にアクセスしてくる人が多数いて、なんだろうなと思ったらこれですか。

 

楽器の使用差し止め 静岡のライブハウス、無許諾で生演奏
(2015/1/24 07:52)

無許諾で生演奏をして著作権を侵害してきたとされる静岡市のライブハウスに対し、静岡地裁は22日、楽器や音響機器などの利用を差し止める仮処分を執行した。日本音楽著作権協会(JASRAC)からの申し立てを受けた仮処分決定に基づく手続き。同協会によると、生演奏による著作権侵害を理由にした仮処分執行は静岡県内では初めて。
地裁執行官が22日夜、協会職員とともに店舗内に入り、楽器や楽譜、スピーカーなどに網を掛け、執行官保管の措置を取った。
同協会によると、店は2008年6月ごろに開店した当初から著作権利用料を支払わないまま営業を続けてきたという。昨年9月に演奏使用差し止めを求める仮処分を同地裁に申し立て、地裁が1月9日付で仮処分を決定した。

静岡新聞

 

昨年9月に仮処分申請をした際の記事。

 

飲食店が著作権料不払い JASRAC仮処分申請 静岡
(2014/9/ 9 14:17)

静岡市内のライブハウスが無許諾で生演奏やカラオケの利用を続けているとして、日本音楽著作権協会(JASRAC)静岡支部は9日午前、楽器演奏とカラオケ装置の使用の差し止めを求める仮処分を静岡地裁に申し立てた。
同協会によると、この店は2008年6月ごろに開店した当初からピアノ、ギターなどの楽器やカラオケ機器を設置し、著作権利用料を支払わないまま生演奏やカラオケの利用を続けているという。
協会の再三の説明や催告に応じないため申し立てに踏み切った。同協会は「著作権が侵害され、遅延損害金も合わせた損害金相当額は390万円に上る」と主張している。使用料未払いなどの著作権侵害を理由に同協会支部が同様の申し立てをしたのは、1999年以降9件目になる。

静岡新聞

 

 

オープンから6年にわたり、著作権使用料を払わず、カラオケと生演奏を続けてきたための措置です。「著作権が侵害され、遅延損害金も合わせた損害金相当額は390万円に上る」とのことで、金額はライブハウスの規模によるわけですけど、通常の料金だと思います。

払いたくないんだったら、カラオケをやめ、また、出演バンドはオリジナル曲だけを演奏すればいいだけのこと。著作権を利用した商売をしておいて、「払えない」「払わない」はないでしょう。

 

 

批判するなら正しく批判すべし

 

vivanon_sentenceネットの反響がこちらにまとめられています。

 

仕方がないという意見もあったが、楽器に網をかけるという今回の措置に「やりすぎ」という声が多く見られた。

RORIO(イロリオ)

 

これがやりすぎだとすると、どうやって徴収できるんですかね。いい方法があるんだったら、JASRACに教えてあげればいいんじゃないでしょうか。

ただの印象による批判を繰り返していても意味ないっすよ。

こういう店と、「日本の音楽これで委員会」の試みとを同列に語らない方がいいと思います。「日本の音楽これで委員会」の試みは支持できますが、ただの「払わない」店までは支持できない。

最新・音楽著作権ビジネス ~原盤権から配信ビジネスまでこのライブハウスも「金の分配が不明である」という意識をもっていたのかもしれないですが、問題はただ払わないだけでは解決しない。

「日本の音楽これで委員会」の試みが唯一の方法ではなくて、裁判という方法もあるでしょうし、JASRACに対して明細を公開するよう署名を集める手もあるかもしれない。あるいはライブハウスが横につながって、政治を動かす手もありましょう。

「ついにJASRACを追い込むか? ファンキー末吉と江川ほーじんの闘いに決定的な新兵器が登場」にも書いたように、「カスラック」などとして、なんでもかんでもJASRACを叩けばいいってものではありません。それをやっていると、「何が問題なのか」がいつまでも理解できないで終わります。

「著作権とは何か」「JASRACとは何か」をちゃんと理解した上でJASRAC批判をした方がいいと思います。音楽著作権は隣接権がからむので面倒ですけど、理解しないとしょうがないでしょう。そのうち、「ゆるゆる著作権講座」で説明しちゃるか。

 

 

 

 

 

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