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【無料記事/J3第25節第3報】北陸の雄相手に敵地でスコアレスドロー! 度重なるピンチをしのいで無失点(2016/10/16)

10月16日、FC東京U-23は富山県総合運動公園陸上競技場でJ3第25節に臨み、昇格争いをしているカターレ富山と対戦、0-0で引き分けた。
東京U-23のメンバーはゴールキーパーが圍謙太朗、ディフェンス4バックが右から柳貴博、蓮川壮大、岡崎慎、小川諒也、ドイスボランチが野澤英之と鈴木喜丈、サイドハーフが右に生地慶充、左に内田宅哉、前線が林容平と平岡翼。ハーフタイムに平岡から小山拓哉へと交替した以外に選手の入れ替えはなかった。なお小山は左サイドハーフに入り、左だった内田が右へ、生地が前線へと、それぞれ移動している。

ファーストハーフの45分間は東京U-23が富山にサイドから攻められつづける苦しい展開。それでも得点源の苔口卓也を抑え、失点をせずにハーフタイムへと入った。
消極的だった前半から一転、後半はアグレッシヴにボールを奪い、パスを受けるようになったことで、試合を互いに攻め合う拮抗状態に持ち込んだ。東京U-23は後半26分、林容平がゴールの右から狙った左足シュート、後半27分に生地が右から中へと切れ込んでの左足シュート、後半29分の右からゴール前へと通した柳貴博のクロスなど、決定的な場面をものにできず、試合展開はいかにして厳しい状況で守り抜くかというものになっていく。そして後半42分のピンチなど、ゴールラインを割られそうな相手のシュートもすべてゴールライン上で跳ね返し、19本のシュートを許しながらも無失点に抑えて試合を終えた。東京U-23もただ守っていたわけではなく、12本のシュートを撃っての引き分け。味の素スタジアムでのvs.ブラウブリッツ秋田戦同様、上位チームとの対戦で拮抗した0-0の時間帯がつづき、互いにその均衡を破れなかった、という険しい試合だった。欲を言えば勝ちたいところだったが、厳しい試合で勝点1を獲っていくことも重要。5,081人の観衆を集めた大きなスタジアムで、高校生5人を含むメンバーが昇格をうかがう強敵と引き分けた経験は今後につながっていくだろう。

試合後の共同記者会見で、中村忠FC東京U-23監督は「前半は相手の速いプレッシャーに防戦一方というか、受ける選手もちょっと臆病になってしまってなかなか前に進めないという現状を突きつけられました。ハーフタイムに選手たちに話したことは『それでも0-0に抑えたということは、何かある』。後半はもっと自分たちをしっかり出そう、勇気を持ってボールを受けて、勇気を持って背後に走って、勇気を持って球際に行ってと話をして(送り出し)、前半に比べると選手たちは非常によく戦ってくれたと思います。富山がいいチームで、最後までセットプレーでピンチがありましたけど、選手たちは非常によくがんばって勝点1を獲ってくれたと思います」と総括した。

「第4節の対戦でゴールを決められている苔口卓也選手を抑えることは意識したか?」と訊ねると、中村監督は頷いた。「そうですね、やはり9番の苔口選手はスピードもパワーもテクニックもある。高校生の2センターバック(蓮川壮大、岡崎慎)だったんですけど、前回1点獲られているので、最終的には、そこにボールが集まる。それから、背後に走る。その苔口選手を、自分たちがより高いステージに上がるためにしっかり抑えよう、という話を(試合の前までに)しました。ただ、(何回か)やられたことはやられましたね(苦笑)、はい」
組織で守ることはもちろんだが、突出した個を相手にした場合は要所でマンマーク気味に抑えに行って効果的なプレーをさせないことも重要。この日の東京U-23は試合に負けない、勝ちに行くという観点から、狙いがはっきりしたプレーをしていたことになる。
交替枠を1しか使わなかったのも、ベンチにいる選手よりもピッチ内にいる選手のほうが攻撃的で体力が尽きなかったから──と、結果を優先し、意図は明白だ。中村監督は言う。
「ピッチ上にいる選手が後半はゴールに向かって仕掛け、追い越していました。脚が攣る選手がいなかったこともあり、替えづらかったのは確かです。ベンチに残っていたのはボランチとサイドバック(小林真鷹と坂口祥尉)で、守りに行くのではなく勝ちに行くという頭がありましたから、替えるのは難しかったですね」
経験を積ませる場であっても結果を重視して競争原理を働かせもする采配から、このチームが成長していくことを期待したい。FC東京U-23は次節、アウエー万博記念競技場でガンバ大阪U-23と対戦する。

 

 

 

 

 

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