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【鳥栖vs山形】プレビュー:J1では初対決。かつての“孝行息子”を封じ勝点を。(1458文字)

■2015明治安田生命J1リーグ 1stステージ第5節
4月12日(日)鳥栖vs山形(16:00KICK OFF/ベアスタ)
試合情報(山形公式)
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鳥栖との前回対決は昨年9月。天皇杯4回戦での対戦は0-0のまま延長戦にもつれ込み、107分の萬代のゴールで勝ち抜いたのはまだ記憶に新しい。天皇杯準優勝につながる大きな一勝であったと同時に、J1昇格に向けたチーム作りの上でも重要な転機となった一戦だ。
リーグでの対戦となると、お互いにJ2だった2008年まで記録をさかのぼらなければならない。つまり、今回がJ1での初対決。ここまでリーグ戦1勝3敗の16位と苦戦を強いられているモンテディオとしては、遠いアウェイの地から是が非でも勝点を持ち帰らなければならない。

ヤマザキナビスコカップ(vs名古屋△3−3)から中3日での遠征となるが、バックアップメンバーを多用した「ナビスコ仕様」から、経験値の高い「リーグ仕様」メンバーに戻して臨むモンテディオに、疲労の影響は少ないだろう。モンテディオ同様、鳥栖もまた運動量を惜しまないのがチームカラーだが、そこで後手を踏んでは言い訳が立たない。

幸い、負傷離脱していた川西翔太が先発メンバーに戻って来る見込み。鳥栖のプレッシャーをかわして攻撃の起点になれる選手の、このタイミングでの復帰は朗報だ。注目は、右WBの先発が誰になるか。対峙する鳥栖の左サイドハーフは、石﨑信弘監督も「あれはスーパー」と警戒する金民友。身体を張って守れる舩津徹也か、名古屋戦で攻撃的な持ち味を見せた高木純平で行くか。メンバー発表が楽しみだ。

楽しみと言えば、モンテディオサポーターにとっては豊田陽平とのJ1での再会もその一つ。豊田はクラブ初のJ1昇格を決めた2008年当時のメンバーだが、翌年京都に移籍し、J1を一緒に戦うことはできなかった。その後日本代表にまで上り詰めた豊田を心からリスペクトしつつ、現モンテの守備陣が彼を抑える様を堪能したい。03-05年にモンテディオに在籍した小林久晃も、おそらくベンチ入りするだろう。

公式戦4試合勝ちなしの鳥栖だが、ホームでは今季3勝1分と滅法強い。この試合をチーム立て直しの絶好機と捉えているに違いない。名古屋戦で3度のビハインドを追いついたナビスコメンバーに報いるためにも、最後まで粘り強く走りきるモンテサッカーで勝機を見出さなければならない。

●勝敗のポイント1:試合の入り方
リーグ湘南戦、ナビスコ名古屋戦と続けて立ち上がりの失点で痛い目を見ている。だが、慎重になりすぎては逆効果。開始10分の積極的なプレーが鍵になる。鳥栖の攻撃は、DFラインからターゲットの豊田に当て、そこに金民友、白星東、池田圭が絡むというシンプルなもの。DFへのプレスやセカンドボールへの反応など、開始からトップギアで臨む必要がある。

●勝敗のポイント2:セットプレーの守備
ここ最近の鳥栖のシュート数は、リーグ第4節鹿島戦、ナビスコ杯第3節新潟ともに4本。決定機は多くない。それだけに注意すべきはセットプレーからの失点だ。藤田直之のプレースキック、ロングスローに豊田、谷口といった手練れが合わせてくる。マークのミスは許されない。

●勝敗のポイント3:試合の終わらせ方
難しいのは同点で終盤を迎えた時の試合運び。前に人数をかけても後ろで守りきるだけのパワーが残っているかどうかを見極め、全体の意思統一が必要になる。鳥栖には、途中出場が見込まれる水沼宏太を含め質の高いクロスを入れる選手がいるのも不気味。カウンターで失点を食らうより、J1残留という最終目標のためには勝点1も収穫と考える割り切りも想定しておくべきだ。

(文=頼野亜唯子)

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