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【ランダムフォーカス】フリーキックのアシストは?〜中村駿選手

2−2のドローに終わった第2節アウェー大分戦ですが、2点目を決めた中村駿選手の直接フリーキックは胸のすくような素晴らしいゴール。大分戦を終え、久々に山形の練習場に帰ってきた中村駿選手に、さっそく「素晴らしいフリーキックでした!」と声をかけました。ところが、当の本人は「んー」と浮かない顔。「フリーキックは良かったですが、勝てなかったのが……すっきりしていないというか」と、さらなる得点を取りきれなかったことの方を悔しがっていました。

さて、あのフリーキックの場面、大分の選手の壁の中に一人小林選手が立ち、その前に山田選手と安西選手が膝立ちになって、キーパーの目線を遮っています。実はあれ、茂木選手の指示なのだそうです。

「俺はあまり隠すのが得意じゃないので、力也に『ちょっとやって』って頼んで。そしたらキーパーが『完全に見えない』というような仕草をしていたので、キッカーの方が優位に立っていたかなと思います」

映像を見直すと、確かに中村選手の背後に茂木選手の姿があります。さらに中村選手は「蹴る瞬間まではキーパーがいる方に蹴ろうかなと思っていたんですけど、助走に入った時に判断を変えて蹴った」と、キッカーの微妙な判断を教えてくれました。そしてボールは大分の壁の右外をギュインと巻いてゴール右隅へ。

「本当にいいところに行ったなあ、と、動画を見て思いました(笑)」

大学時代にもキッカーを務めていましたが、直接フリーキックを決めたのは1回だけ。それ以来のゴールだそうです。中村選手はまだまだ隠している能力がありそうで楽しみです。

ところで、大切な壁の一人だった小林選手は「あれはもう(自分の)アシストやと思います」と、ブラインド役の重要性を強調。その言葉を中村選手に伝えると「それ、みんな言ってます(笑)」とのことなので、山田選手も安西選手も「アシスト」を主張しているのかもしれません。茂木選手も含め、チームでマークしたフリーキックの得点、ということにしておきましょう。

文・写真:頼野亜唯子

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