「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

これ以上の黒星は選手やサポーターを疑心暗鬼にする。必要なのは内容の向上。試合の入り方に注目 [J9節 湘南戦プレビュー]

 

 

今シーズンに入り、各種メディアで取り上げられることの多いGK飯倉大樹は、今日も胸を張って雄弁に語った。

「リーグ戦は連敗しているけど、いつか必ず勝てる。でも大事なのはそこに自分たちの信念やポリシーがあるかどうか。なんとなくやってもいつか勝てるだろうけど、それでは意味がない。自分たちのスタイルを貫いて明日、勝つ」

 サンフレッチェ広島とヴィッセル神戸に連敗。しかもショッキングな逆転負けを喫した。守備組織がしっかりしていた前者はまだしも、お世辞にも強いとは言えなかった後者にも敗れたのは痛い。これ以上の黒星は、選手やサポーターを疑心暗鬼にする。明日の湘南ベルマーレ戦では、勝ち点3が至上命令となるだろう。

そのために必要なのは内容の向上であり、たとえば直近のルヴァンカップ・FC東京戦の前半はあまりにも低空飛行過ぎた。ハーフタイムに飛んだ指揮官の檄の甲斐あって後半に持ち直したが、相手の本気度が違うリーグ戦で同じようなスロースタートを切れば勝ち点3は遠のくばかり。湘南戦では試合の入り方に注目だ。

 

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その試合に臨むメンバーは、前節の神戸戦のピッチに立った顔ぶれが中心となる。ミッドウィークのFC東京戦に出場していたのは大津祐樹のみで、その他の10人は遠征に帯同すらしていなかった。明日は夏日になりそうだが、コンディション面に不安はない。リーグトップの走力で圧倒する。

一方で、ベンチメンバーにはアレンジが加えられそうな気配が漂っている。まずFC東京戦で好パフォーマンスを見せた仲川輝人のベンチ入りが濃厚。展開次第だが、チャンスが与えられる可能性は高そうだ。「人生を賭けていた」と振り返るFC東京戦を浮上のきっかけにできたかどうかは、明日以降のリーグ戦で分かる。アタキングサードでの決定的な仕事に期待したい。

 

 

仲川以外は中町公祐や伊藤翔、金井貢史、遠藤渓太といった主力と遜色ない顔ぶれが並ぶが、最後の1枠としてルーキーの山田康太がリーグ戦初のメンバー入りを果たすかもしれない。FC東京戦の終盤は、足をつりながらも久保建英と激しいマッチアップを繰り広げ、戦える選手であることを証明。フィジカル面も少しずつ強化され、プロのスピードの中で自分のプレーを出せるようになってきた。

 

 

試合前日の今日、25歳の誕生日を迎えた山中亮輔は「誕生日翌日が試合ということもあまり意識していない。ゴールは毎試合狙っているし、誕生日だからではなく普通に狙う」と静かに闘志を燃やす。練習ではバー直撃の強烈ミドルを放つなどフィーリングは悪くなさそう。チームに推進力をもたらせる数少ない選手だけに、タフなゲームになりそうな明日も期待がかかる。

 

 

今シーズンはまだ日産スタジアムで勝利の凱歌が上がっていない。2018年の日産スタジアム初勝利を挙げ、仕切り直しの一戦にする。

 

 

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