「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「引き分けを狙って引き分けられるほど甘いものではない」(樋口)・「今年は一瞬も左でプレーしていない」(小林)+天野他 [清水戦直前インタビュー] -2,150文字-

【players voice】
DF 13 小林 祐三

――ドゥトラの出場停止によって左SBで先発する可能性が高そうだが

「3年以上も右でプレーしているので、体がそういう感覚になってしまっている。でも慣れれば大丈夫。最初のワンプレーや次のプレーではミスするかもしれないけど、風景に慣れることに徹すれば大丈夫なはず。今日も紅白戦があと10分くらい長ければ徐々に慣れていけたと思う。ただ連戦だから、ぶっつけ本番になってしまうのは仕方がないこと」

――右と左での一番の違いは?

「右サイドをやっていて、単純に左足でトラップする場面があまりない。右の場合は理屈で考えずに自然にボールを受けているけど、左の場合は体の角度やボールを置く位置を理屈で考えてしまう。それは大きな違いがある。あとは(栗原)勇蔵くんと(中澤)佑二さんでボールを出すタイミングも違う」

――レイソル時代は左サイドでプレーしていた経験があるはず

「でも少なくとも今年は一瞬も左でプレーしていない(苦笑)。左のほうがやりやすいプレーもあったはずなんだけど…。例えばドリブルとか。でもそれを思い出すのにもう少し時間が必要。逆にディフェンスは理屈で動く部分が大きいから大丈夫だと思う。それに後ろにいる大先輩がフォローしてくれるでしょう(笑)」

――最近は右サイドで好調が際立っていただけにリズムを崩すのが心配だ

「そこは割り切ってやる。今年で28歳になるわけだし、チーム状況を考えてプレーしなければいけない立場。与えられた仕事をしっかりこなす。そういう責任感を持ってプレーしたい。まずはディフェンスから入ること。特に序盤はシンプルにプレーしてリズムを出していきたい」

 

【players voice】
GK 30 六反 勇治

――スタメン濃厚となっている

「GKは一人に何かあれば出番が回ってくるポジションでもある。ただ、この前の途中出場も含めて不本意ではないところもある。乗り気じゃないと言ったら表現が悪いけど、気持ち的には湘南戦以上に難しい試合になる」

――チャンス、ではない?

「チーム状態を考えた時にチャンスだと思ってアピールするゲームではない。ただ、その中でも自分のプレーを出さないといけないし、ゴールマウスを守る以上は結果が求められる」

――予選リーグ突破が懸かった重要な試合だが

「ナビスコでも優勝を狙っているし、そのための予選リーグ突破に有利な状況にある。ほかのチームの結果もあるけど、勝つか引き分ければ自力で決められる。無失点で終われば確実に決められる。そうすれば試合内容に関係なく決勝トーナメントに進出できる」

――清水について

「清水はグループ敗退が決まっているのでノープレッシャーで臨んできて、自分たちが目指しているサッカーがやりやすいと思う。ウチの気が緩んだ状態では難しいゲームになってしまう。ほとんど同じメンバーで連戦を戦っているわけだから、疲れを考えると特に前半は大事な試合になる」

【試合に向けて】
樋口 靖洋 監督

「テツ(榎本)はまだ様子を見ないといけない状態。二種登録している選手を帯同させる方向で考えている。ドゥトラは強制的に休ませないと『できる』と言ってしまうタイプだから(笑)。そういう意味では楽しみではある。どこかのタイミングでこういった出場停止は来ると思っていた。どうするかは2パターンあって、まだ迷っている。
清水はシステムを[4-4-1-1]のような形に変えている。攻撃ではシンプルにバレーを使って、サイドから早めにクロスを入れてくる攻撃も多い。ボックスの中でどうにかしようというスタイルかもしれない。相手は失うものが何もないのでトライしてくるはず。それに何人かはフレッシュな選手が入ってくると思う。受けて立ったらロクなことはない。引き分けを狙って引き分けられるほど甘いものではない。清水に勝って予選突破することだけを考えて戦いたい。
ただ同点でラスト15分はリスクを冒す必要はない。突破さえ決まればOK。他会場の動きを見ながら、連戦なのでゲームの半分を休ませられる展開なら休ませたい。そのために3つの交代枠を有効に使いたい」

MF 7 兵藤 慎剛

「リーグ戦もカップ戦も勝たなければいけない状況に変わりはない。だから頭の切り替えという部分は特に問題ない。連戦で疲労がたまってくる頃だけど、これは毎年のことで、自分は慣れている。今回の清水戦と週末の鳥栖戦が終われば中断期間なので、そこまで全力で走り抜けたい。清水戦のポイントはまず隙を見せないこと。最低でも前半を0-0で折り返して、相手の隙を突く形で得点できればベスト。引き分けでも予選リーグ突破だけど、そういったことは考えず無心で臨みたい」

DF 2 天野 貴史

「久しぶりに出番が回ってきそうなので存在感をアピールしたい気持ちはある。ただチーム状況を考えてプレーしなければいけない。両SBが同時に上がって高い位置を取るのは危険なので、バランスを見ながらのプレーになる。シンプルに前にボールを預けて、オーバーラップしてからはクロスで終わるようなプレーを見せたい。中途半端なプレーをするとカウンターを食らう。自分のアピールよりもチームが予選リーグを突破するためのプレーを心がけたい」

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