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「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

ネルシーニョに何度煮え湯を飲まされてきたことか [ナビスコ準決1st・柏戦プレビュー] (藤井雅彦) -2,144文字-

対戦相手の自作自演に惑わされてはいけない。一度は公の場で辞意を表明した指揮官が、その数日後に自らの発言を撤回し、平然と現場に戻ってくる。愚の骨頂ではなかろうか。自分が担当記者であれば、徹底的に糾弾したであろう。いきさつのすべてを知っているわけではないが、サッカー監督たるもの、一時の感情で動いてはいけない。あるいは水面下で違う動きがあったのかもしれないが、やはり自らの言動に責任を持つできではないか。それがプロとしての役回りであり、何もペナルティを設けないのでは周囲に示しがつかないというものだ。

 それにしても、こんなドタバタ劇が対戦直前に発生し、しかも結果的にネルシーニョが帰還するというのは、嫌な予感がしてならない。マリノスは柏レイソルではなく、ネルシーニョに何度も煮え湯を飲まされてきた。経験豊富なブラジル人指揮官の的確な采配に毎度苦しむ。時には試合に臨むスタンスに、あるいは試合途中の選手交代に。ウィークポイントを射抜かれ、2009年後半の初顔合わせから一度も勝ち点3をつかめていない。いわゆる天敵が、再び眼前に立ちはだかる。

柏にはレアンドロ・ドミンゲスだけでなく工藤壮人もいない。Jリーグが誇る屈指のタレントと、新進気鋭のゴールゲッターがいないのはとてつもないラッキーと言える。しかし、そういった苦境を何度もはねのけてタイトルを勝ち取ってきたのが近年の柏である。昨年末の天皇杯準決勝を切り取っても明らか。レアンドロを出場停止で欠くという状況を踏まえて、ロングボール中心の攻撃にシフトし、同時にマリノスのプレスをいなす。柏のキング不在だから採用できた戦術とも言えるだろう。現状に見合った戦術で勝利への最短距離を走るのがネルシーニョ率いる柏のスタイルだ。

ある意味で、マリノスとは対極に位置するチームである。今週、マリノスは自分たちのスタイルを復習することからスタートした。対戦相手の監督人事に関係なく「これから始まる第3クールに向けて、自分たちのやるべきことを再確認した」(樋口靖洋)。開幕から中断期間前までを第1クール、中断期間明けから8月最後の3連戦までが第2クール、そしてこのナビスコカップ準決勝1stレグからシーズン終了までが第3クール。そう位置付けて、3度目の出発を図る。

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4-2-3-1柏 柏が柔軟な姿勢で勝利を目指すのとは対照的に、マリノスは不変的な姿勢で試合に臨む。相手の出方がわからない状況ではなおさら、自分たちのストロングポイントを強調するだろう。このゲームでも積極的に前からボールを奪いに走り、ラインを押し上げてコンパクトにするはず。注意しなければならないのは、柏戦で毎回のように繰り返しているセットプレーからの失点と試合序盤の失点だ。ここで出鼻をくじかれるようだと、ゲームプランはまったく意味を成さなくなる。

まずは序盤を無風のまま過ごし、できることならばアウェイゴールを記録したい。準々決勝・鹿島アントラーズ戦でもそうだったようにアウェイでの勝利とその過程にあるアウェイゴールは大きな意味を持つ。2ndレグまでをトータルで考えると、相手の焦りを誘い、出てこざるをえない状況を作り出せる。

この90分は180分ゲームのうちの前半に過ぎない。したがってお目見えする可能性は低いが、今週はパワープレーの確認を行っていた。「やるか、やらないかも含めて」(樋口監督)精査し、ミーティングで指示を与えた上で木曜日の紅白戦の最後に確認を行った。ポイントはサイドからのボールに対して、ファビオが対角線にポジションを取ること。打点の高いヘディングを持つファビオに関して「高い確率で折り返せる」(樋口監督)と自信を口にしており、そこにマルキーニョスや藤田祥史がなだれ込む。と同時に中村俊輔や兵藤慎剛はセカンドボールを拾うためのポジショニングを徹底していた。この布陣が披露されるのはビハインドを追いかける場面、つまりナビスコカップにおいては第2戦となるだろう。こういった場面がなく、リードした状態でゲーム終盤を迎えるのが理想だが、準備しておいて損はない。

日本代表招集の齋藤学の不在を端戸仁が補い。富澤清太郎が復帰しても小椋祥平はポジションを譲らない。もはや11人だけで戦っているチームではなくなり、わずかながらチームの底上げも実現できている。このゲームには中村曰く「起爆剤」としてムードメーカー比嘉祐介も帯同が決まった。チームの士気は静かにではあるが確実に高まっている。

目指すべきファイナル、そして頂点のために、柏との180分間は通過点にすぎない。

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