「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

<無料記事> 比嘉「監督に『右もできるのか?』と聞かれていた」・中澤「彼の良さをどうやって出させるか」 +中村・齋藤・ラフィーニゃ他 [広島戦前コメント] -2,884文字-

【試合に向けて】
エリク モンバエルツ 監督

「(湘南戦で栗原が先発から外れた理由は?)監督は常に選択を迫られる。いまはだいたい25人のメンバーがいて、16人のレギュラーがいる。その中でチームとして最も良いパフォーマンスを出せるメンバーを選んでいる。これは勇蔵個人の問題ではなく、チームとして考えたこと。いまのチームには右利きのCBしかいない。栗原は左が難しい。中澤は栗原と組んだ左をやっているが、左が得意なわけではない。ホームゲームでビルドアップすることを考えてあのメンバー構成になった。ホームとアウェイや、相手との力関係にもよる。たとえばナビスコカップの名古屋戦で富澤はCBとして良いプレーをした。これからもホームゲームでは富澤やファビオのように中盤もできる選手を最終ラインで起用することもある。
湘南戦ではチームとして前への推進力を出せていたと思う。齋藤学は1200メートルもスプリントしたし、伊藤や兵藤、アデミウソンも前へのプレーを繰り返した。湘南戦はリーグ戦で7試合目だったが、これまでで一番スプリントの回数が多かった。湘南は走るチームだが、そういった相手に対してより多くのスプリントを記録したのは重要なこと。スプリント回数が多いということはフィジカルコンディションが良いということでもあるし、それは長所だと思う。そして、いつも言っているように11人ではなく18人で試合を戦う。実際は3人しか交代できないので最大で14人だが、途中から出場する選手はチームにプラスを与える責任がある。彼らは出場時間が短いことが多いので特にスピードをもたらさないといけない。
(小林祐三が出場停止の右SBについて)最終的には決めていないが、ボンバー(中澤)にはいくつかのオプションがあることを伝えた。比嘉はもともと右利きだ。左でやっているプレーを右でやってほしい。彼は体が小さいがアグレッシブでスピードがある。我々としてはチームのシステムをあまり変えたくない。いまいる選手から選択肢を考えたときに、比嘉は左から右に移しても適応できるのではないかと期待している。それはオプションの一つで、三門も右SBにして、中町や富澤をボランチで使う選択肢もある。いずれにせよ誰かを右に置かなくてはいけない。
広島のプレースタイルに驚きはない。浦和と似たスタイルのチームだ。浦和の監督はもともと広島の監督だったのでそのスタイルを残しているのだろう。欧州では前に5人が張るようなシステムのチームはない。ボールを失ったときの守備が難しいからだ。基本的には我々のプレースタイルを出す。その中で浦和戦のように対応していくことが必要。浦和戦がヒントになるチームだ。浦和戦では守備面で少しミスを犯してしまった。そこを修正する。ウチの選手はインテリジェンスがあるので同じ失敗は繰り返さないと思う」

MF 10 中村 俊輔

「足首の状態は良くなっている。でもしばらくはクローザー生活じゃないかな。試合に出たときに何をすべきか考えている。練習では縦に早い展開を求められるけど、試合ではそうじゃない状況もある。後ろでパスを回す時間も必要だし、その中で自分に何ができるか。ゴールやアシストすることに専念して、結果を残すことも大事。どんな監督にも好きなタイプの選手というのはあるし、プロの世界だから結果を残した者勝ちの部分はある」

 

FW 39 アデミウソン

「次の広島戦でも、湘南戦のように自分たちのサッカーでしっかり勝利したい。連戦で疲労は多少あるけど、サッカー選手にとっては試合を重ねることでリズムをキープできる。湘南戦ではようやく初ゴールを決められた。これからもチャンスの場面でしっかり決めて、チームの勝利の手助けをしたい。広島のことはファビオから少し聞いている。数年前に2年連続で優勝したことや、浦和の監督はもともと広島で監督だったから似ているなど。難しい相手だけどホームで連勝したい」

DF 15 比嘉 祐介

「J1のリーグ戦で先発なら、プロ4年目でやっと。右サイドは去年、J2だけと京都で2試合くらいプレーしたので問題ない。勝つことが一番大事。左のほうがやりやすいけど、右利きなので問題ない。トラップとインサイドキックは右足のほうがやりやすい。でもクロスは左のほうが蹴りやすい。少し前に監督から『右もできるのか?』と聞かれていた。左利きだと思われていたみたいで(苦笑)。それで右も大丈夫と言ったら、ちょうどパンくん(小林)が出場停止になった。いろいろ良い方向に転がってきた。チャンスを生かせるように頑張りたい」

MF 7 兵藤 慎剛

「比嘉に多くを求め過ぎてはいけない。広島のような特殊な相手に対して、まずはどうやって守るか。守備のときは後ろからの声かけが大事だけど、そこは前にいる自分のほうが経験はあるので、逆に比嘉を動かしていきたい。枚数をかけて攻めてきたときにマークを見失うと危ない場面を作られてしまう。比嘉は対人守備の強さはあるので、サイドで柏と1対1になるのは大丈夫だと思う。それよりもマークの受け渡しが問題。攻撃のときも自分は中に入ってボールを受ける場面が多いので、そのときにできたサイドのスペースには思い切り良く上がってきてほしい。そのままの勢いからクロスで終わるような攻撃なら大丈夫。攻撃も守備も比嘉が得意な形でプレーできるように、周囲がフォローしてあげたい」

DF 22 中澤 佑二

「比嘉が右に入ることが一番の変化。彼の良さをどうやって出させるかを考えないといけない。思い切ったプレーをできるように助けてあげないといけない。広島もそこを突いてくると思うけど、周囲の連係でうまく守らないといけない。右サイドをやることは問題ないと思う。右利きだから。それよりも広島のような特殊な相手に、新しく入った選手を含めてどうやって守るか。ホームなので勝って連勝したい。そのためには守備が大事になる」

FW 18 ラフィーニャ

「湘南戦でのアシストは、チームとして選んだプレー。あの場面ではカンペー(富澤)がいい位置に走ってくれたのでパスを出した。自分でシュートを打つことも考えたけど、相手のGKがいいポジショニングを取っていた。今度の試合では誰からかわからないけど自分にパスが来たらいい(笑)。もちろん自分もゴールを決めたいから。アデミウソンもようやく初ゴールを決められたし、これからコンビネーションも良くなるはず。足首も大丈夫。痛くない」

 

 

 

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