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「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「学の分まで暴れ回る」 …相部屋の盟友で、育成組織時代からの後輩であり、最高の仲間である齋藤について [プレーヤーズレポート(金井貢史)]

グラウンドに甲高い声が響き渡る。しばらく聞くことのできなかったその声は、懐かしさとともに心地よさを感じさせる。全体練習終了後は、左右からのクロスに合わせてゴールネットを豪快に揺らす。SBを主戦場としながらも、FW顔負けのシュートセンスを持つ男。ゴールが決まれば再び雄叫びを上げる。マリノスに、2017年の日常が戻ってきた。

声の主は金井貢史。9月23日に行われた第27節・ヴァンフォーレ甲府戦の前半に負傷し、離脱を余儀なくされた。左ハムストリング肉離れで全治6~8週間見込みと診断され、リハビリの日々がスタートした。チームがリーグ上位を争っている最中の無念の離脱に「去年も一番大事な時期にいなかった。それなのに今年もいなかった。申し訳ない気持ちしかないし、これでは選手として評価されない」と悔しさをにじませた。

 

在籍年数の長いベテラン選手が多数抜けた今季、チームのムードメーカー役を担ったのが金井だった。「どんな時でも声は出せるからね」と率先して言葉を発した。いや、発し続けた。目の前にいる選手、目の前で起きている事象、そのすべてに絡んで、チームに鳴り止むことのない“音”をもたらした。ポジティブな空気の原動力である。

2008年にユースからトップチームに昇格し、ルーキーイヤーから試合出場を重ねた。途中、自らの意志で移籍を決断して腕を磨いた。そして2016年から再びトリコロールのユニフォームに袖を通す。気がつけば、今年でプロ10年目を迎える。現在27歳だが、早生まれのため28歳の代となる。マリノスは自分よりも年下の選手が過半数を占めるチームになった。

 

 

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年齢や在籍年数などのキャリアから、責任感が増した。同時に自由度が増したのも事実だろう。先輩に遠慮する必要がなく、必要以上に周囲の目を気にすることもなくなった。さまざまなタイミングが重なったのが今年で、生まれ変わりつつあるマリノスにおいて、誰かがムードメーカーというポジションを務めなければならなかった。

 

 

負傷は順調に回復し、部分合流など段階を踏んで先月末から完全復帰。ジュビロ磐田との連戦には間に合わなかったが、高知キャンプではここまでフルメニューを消化してコンディションを上げている。若手主体の午後練習にも参加し、率先して声を張り上げた。照準はリーグ再開戦となる11月18日のセレッソ大阪戦に定まっており、状態を万全に持って行くには十分な時間がある。

もう一つ。胸に去来するのは、年下ながら主将を務め、同じ試合で負傷した齋藤学の存在だ。自身が全治6~8週間なのに対し、齋藤は全治まで約8ヵ月かかる大けがだった。同じ試合で受傷し、同じく翌日からリハビリをスタートした。時計の針が進み、自分は順調に復帰してピッチに戻ってきた。しかし齋藤は手術を行ってようやく退院し、現在は地道なリハビリをスタートさせたばかりだ。

2月の宮崎キャンプ、7月の新潟キャンプと同じように、今回の高知キャンプでも金井と齋藤は相部屋だ。部屋でどんな話をしているのか気になるところ。「部屋では普通の会話をしている。サッカーの話もするし、それ以外の話もする。宮崎や新潟の時と変わらない。気を遣うつもりはないし、普通に接するほうが自然でいいと思うから」。金井が自然体でいるから、齋藤も普段着でいられるのだろう。

そしてハッキリと言葉に出した。相部屋の盟友で、育成組織時代からの後輩であり、最高の仲間である齋藤について。

「けがをして、一番悔しいのは学。みんなが練習しているのを見ると気持ちが落ちることがあるかもしれない。でもあいつは絶対に強くなって帰ってくる。オレは、学の分も早くピッチで暴れたい」

 離脱してしまった悔しさをぶつける。齋藤学の分まで暴れ回る。残されたリーグ戦3試合と天皇杯は、ムードメーカーがマリノスを熱く盛り上げる。

 

 

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