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「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

いよいよ開幕!・・・隙のない陣容-「ワクワクしている」(樋口監督) 【試合直前・藤井雅彦プレビュー】


【予想フォーメーション】

 

「ワクワクしている」

樋口靖洋監督は就任2年目の開幕に向け、こう言って笑みをこぼした。真面目な性分は変わらないが、立ち振る舞いにはどこか余裕を感じさせる。

裏付けは昨季終盤のチームに対する自信である。リーグ戦と天皇杯でいずれも柏レイソルに敗れただけで、そのほかのチームをことごとく撃破してきた。リーグ戦終盤はコンサドーレ札幌、サガン鳥栖といった昨年の昇格組に力の差を見せつけ、天皇杯では浦和レッズや名古屋グランパスという力差がない相手にもしぶとく勝ちきった。内容もともなった勝利だからこそ、揺るがない自信へと昇華した。

「昨年はベースを作ることから始めなければいけなかった。今年はベースがあることを再確認すればよかった。その違いは大きい。その上でキャンプが終わってからの3週間はオプションにトライすることもできた」

こうして迎える開幕戦の湘南ベルマーレ戦に臨む11人も昨季終盤から大きな変更はない。左足首に続いて左ひざを痛めてしまった齋藤学こそベンチスタートになりそうだが、「いわゆる試合ができる状態にはなっている」(樋口監督)。開幕2日前の非公開練習では紅白戦にも出場した模様で、当面は切り札としてベンチに座り、状況が思わしくない場面で名前を呼ばれるだろう。それでも、ほかに目を移せばまったく隙のない陣容が整っている。

その筆頭が1トップを務めるマルキーニョスである。シーズンフル稼働すれば間違いなく昨季以上の個人成績を収める。22試合10得点という昨季の数字は能力値からすればあくまで“最低限”。相手との力関係ではなく絶対的な能力の高さでゴールを量産できる。昨年より年齢を一つ重ねたことによる衰えは見られない。樋口監督は「去年の二桁得点は最低限。今年は得点王を狙ってほしい」と期待を隠さない。

思い返せば開幕直前にこの助っ人ストライカーを失ったことで開幕からリーグ戦7試合未勝利と苦しんだ。“たられば”が禁物なのは承知の上で、マルキーニョスさえいればあんなに苦労することはなかった。もっとも、その責任はマルキーニョス個人だけでなく、練習量をコントロールできなかった側にもある。

問題はアクシデントなくシーズンを乗り切れるか否か。昨年の反省を踏まえたマルキーニョスはコンディショニングに細心の注意を払っている。宮崎キャンプ中も含めて練習試合で明らかにモチベーションが低いゲームもいくつかあった。それによってチーム全体が停滞したのも事実だが、裏返せば彼の存在の大きさを物語っているとも言える。どうやらそういったゲームでは意図的に動きをセーブしていたようで、あくまで開幕に照準を合わせていたようだ。ならば心配ないだろう。

ポジティブに表現すれば“不動のメンバー”も、穿った見方をすれば“代わり映えのしないメンバー”となる。その中でひときわ目を引くのが右MFで先発濃厚な端戸仁となる。齋藤の負傷によってチャンスが回ってきた格好で、開幕前週のJFL・ソニー仙台との練習試合で攻撃性能の高さをアピールした。端戸自身が「ボールを取られないことが大事」と語るように、密集地帯でも巧みにキープする術を持っている。マルキーニョスや中村俊輔といった歴戦の雄と絡むことで、さらに能力を飛躍させる可能性がある。

ただ端戸に関して気掛かりなのは対戦相手などの相対的な要素である。湘南相手にまったく歯が立たないとは思わない。むしろ逆で、相手が昇格組の湘南ならばJ2・ギラヴァンツ北九州在籍時の昨季見せたパフォーマンスを発揮できるはず。しかしながら、そのプレーが今後の基準にはならない。誤解を恐れず言えば、相手は決してJ1級の戦力ではないのだ。そこで“違い”を見せるのはある意味、当然。端戸の真価が問われるのは第2節以降で、継続して出場機会を得るために求められるのはやはり結果である。仮に湘南戦でのパフォーマンスが低調だった場合、第2節ではコンディションを戻してくるであろう同期の齋藤に席を譲ることになる。チャンスを得たと同時に正念場のゲームが湘南戦の位置付けとしては正しい。

端戸に対して厳しい見方をしたのは期待の表れであり、その他の10選手には実力と経験値の差をピッチで体現してほしいと思う。「普通にやるのが一番大事」と気を引き締めたのは兵藤慎剛。特に難しい作業は必要ない。非公開練習では逃げ切り策としてファビオを加えた3バックを試したというが、そういった奇策が必要ない展開を作らなければいけない。いまのマリノスが持っている力さえ発揮できれば、おのずと結果はついてくる。これは相手へのリスペクトを怠っているわけではなく、あって然るべき“差”なのだ。

マリノスは今季も『ACL出場権獲得』を目標に掲げている。そのチームがホームで昇格組に土をつけられるようなことがあってはならない。まずは結果で、次に内容を求めたい。いまのチーム状況、相手との力関係、そして今シーズンの目標に対する「シーズンの一歩目」(樋口監督)。これらすべてを総合して考えると「負けは良くないし、引き分けも良くない。勝たなければスタートを切れない」(中澤佑二)。勝ち点3獲得が至上命令の戦いだ。

 

 

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