「ザ・ヨコハマ・エクスプレス」藤井雅彦責任編集:ヨコハマ・フットボール・マガジン

「話をもらった時に、シンプルにチャレンジしたいと思った」と富樫は眼光鋭く言い放った。ストライカーらしい嗅覚が働いたのかもしれない [富樫敬真のFC東京期限付き移籍について]

 

マリノスは昨日5日、FW富樫敬真(24)がFC東京に期限付き移籍することを発表した。富樫は関東学院大学に在籍していた2015年に特別指定選手となり、デビューを飾ったFC東京戦で中村俊輔からのクロスをヘディングシュートで決めた。その活躍が認められ2016年に晴れてプロ契約を結び、以降の2年間で計34試合に出場して7得点を挙げている。

プロ2年目の昨季は1トップとして開幕戦に先発し、第2節・コンサドーレ札幌戦でシーズン初ゴールをマーク。2連勝スタートのチームとともに順調な滑り出しを見せた。しかし、その後はけがで戦線を離脱。復帰戦となった第14節・川崎フロンターレ戦で貴重な追加点を挙げたものの、以降は思うように出場機会に恵まれず、シーズン2得点という不本意な成績に終わった。

 

 

ウーゴ・ヴィエイラが負傷から復帰し、伊藤翔が存在感を示した終盤戦はベンチ入りできない試合もあった。練習でもどこか空回りしている印象が強く、持ち前の得点能力は陰を潜めた。本人にしてみれば「ゴールを決めたいけど、それだけではいけない。チームのためにプレーして、なおかつゴールも決めたい」という試行錯誤の時間だったが、ストライカーたる所以が薄れてしまっては元も子もない。結果的に“2年目のジンクス”を破れなかった。

そんな折、富樫の下へJ1クラブからオファーが届いた。獲得に乗り出したのは、長谷川健太監督が新たに監督に就任するFC東京だった。

 

 

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この移籍は長谷川監督が熱望したことが起点で、現役時代に日本代表として活躍したストライカーからの熱烈なラブコールに心が動かされていく。

マリノスとの複数年契約を残しているため、クラブ間交渉は期限付き移籍を前提に進められた。当初はマリノスが求めるレンタルフィーとFC東京側の考えに大きな開きがあったが、時間が経つにつれて条件面での齟齬は解消されていく。それでもマリノスは一定以上のレンタルフィーを受け取る形になった模様で、結果としてアイザック・ドルSDの剛腕ぶりが発揮された。

移籍が内定し、富樫は眼光鋭く言い放った。

「話をもらった時に、シンプルにチャレンジしたいと思った。状況とか、立場とかは関係なく、環境を変えてチャレンジしたいという思いが強かった」

 ストライカーらしい嗅覚が働いたのかもしれない。エリク・モンバエルツ監督によって見出された才能が、自らの意志でチャレンジすることを決めた。2018年は富樫敬真にとって勝負の年になるだろう。

 

 

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