赤鯱新報

【水戸vs名古屋】レビュー:勝利への方法論を考えさせられる90分間。敵地での勝点1は及第点か、それとも。

■2017明治安田生命J2リーグ第31節
9月2日(土)水戸 1-1 名古屋(18:03KICK OFF/Ksスタ/9,240人)
得点者:34’前田大然(水戸)53’シモビッチ(名古屋)
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風間八宏監督は勝利するための“根拠”を選手に説き、ピッチでの表現を求めるが、そこには何も制限を設けていない。だが、特に不出来だった水戸戦の前半について、「うまくできない時は違う方法を探すのか、貫くのかでみんなが困っているようなところはあった」と楢崎正剛は振り返る。勝利が欲しかった一戦で勝点1をもぎ取るのがせいぜいだった理由はまさにここにあった。試合を優位に進め、最終的に勝利を得るための最適解を見つけられなかったが故の消化不良感。それは今後迎えるリーグ終盤戦へ向け、一刻も早く解決すべき重要課題とも言える。

幸先の良い9月のスタートを切るべく、指揮官が選んだのは公開された練習で見られた中で、最も攻撃的な布陣だった。田口泰士の出場停止で空いたボランチの一枠には和泉竜司ではなく八反田康平を入れ、佐藤寿人不在の左ウイングには青木亮太をスライドし、右ワイドに和泉を起用。シモビッチ、シャビエル、青木の3トップは、現チームで有数の破壊力あふれるセットだ。一方で中盤の守備力を求めるような構成でなかったことも事実で、攻撃志向の高い3バックの両サイドを思えば守備的人員は新井一耀と楢崎正剛の2枚のみともいえる攻撃重視っぷり。守備ではなく攻撃で試合をコントロールしようという目論見はいつも通りとは言え、この前がかり方はかなりのものだった。

だが、想定通りにいかないのがサッカーであり、実際、いくつかの要素が彼らの進軍を阻むことになった。

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