「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

【レビュー】不安定な判定基準に悩まされながら一致団結して逆転勝利を掴む!/Jリーグ第21節 清水エスパルス戦(2014.08.23)

それは異様な光景だった。

前半終了のホイッスルが鳴ると同時に多数の選手が井上知大審判に詰め寄る。ベンチではトニーニョ・セレーゾ監督が仁王立ちとなり、高井蘭童通訳もつばを飛ばしてなにかを訴えている。それだけなら、たまにはあることかもしれないが、さすがにベンチの選手全員がサイドラインに並び、いまにも審判団に飛びかからんとする威圧感を醸し出したのを見るのは初めてのことだった。

その威圧感は、アップのためにピッチに広がっていく控えの選手たちの一歩一歩が、審判を囲むためのものに見えるほど。審判のまわりに輪ができそうになるのを小笠原満男が必死に押しとどめ、ベンチを飛び出した石井忠正ヘッドコーチも加勢して、選手たちをロッカーに戻らせる。しかし、鹿島のゴール裏からの声を押し留めることはできない。
「審判、審判、下手くそ!」
一糸乱れぬコールが飛ぶと、井上主審は固い表情でロッカールームへと引き上げていった。

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