ビジネスの問題
　プロサッカーリーグは競技大会であると同時に興行です。今回、大会方式を変えるのは興行面でのテコ入れです。プレーの質を上げるためではなく、収入を増やすためです。ですから、1ステージ制と2ステージ制のどちらが制度的に優れているかの議論ではなく、どちらが収入を見込めるのか、それだけなんですね。Jリーグはお金がほしいんです。

　お金がほしい理由については、Jリーグ側でいろいろ言っていますから、興味のある方はそちらを参照してみてください。実はJリーグの人も、現行の1シーズン制のほうが公平で良いシステムであることを認めています。ですから、2ステージ制の導入は制度的には「改悪」だということを知っているわけです。そこまでしても、お金がほしいのです。

2ステージ案の疑問点
　Jリーグの案を見ると、かなり疑問があります。まず、最悪のケースを考えてみましょう。前期と後期の優勝チームも、2位チームも同じという場合です。前後期で優勝していれば、通年の勝ち点でも首位になるでしょう。この場合、ポストシーズンの試合は1位と2位による優勝決定戦だけになります。この2試合で勝てば、2位のチームがJリーグ王者として名が刻まれることになる。前期も後期も優勝したチームは、ただの2試合でチャンピオンでなくなってしまうわけです。誰が考えてもバカバカしい。

　年間総合勝ち点でトップになるチームは、前期か後期に優勝している可能性が高いでしょうし、どちらかは2位になっていることも考えられます。そうなると毎回のように試合数が変わってきます。よくわからないポストシーズンになってしまう気もします。

　ここで元に戻って考えてみます。Jリーグの目的はお金だけです。収益を増やすための最初のアイディアはポストシーズンだったはずです。昨年、J2のプレーオフが盛り上がったので、J1でも導入しようと思ったのでしょう。しかし、1シーズン制ではポストシーズンをやる大義名分がない。1シーズンかけて決めたチャンピオンを否定することになりますからね。

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