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【レビュー】J2第9節千葉1-1讃岐@フクアリ「不振の要因である、3つの問題点」(文:西部謙司)2014/04/27

■監督の去就について

 前節の富山戦に続き、讃岐戦もリードを守れず1-1。下位クラブに勝ちきれなかったことで、ファンのフラストレーションも溜まっていることでしょう。鈴木淳監督を更迭せよという声も出ているかと思いますので、それについて僕なりの見解を出しておきたいと思います。

 現在の「不振」には大きく3つの問題があります。まず選手。勝敗に直接影響を与えるのは選手個々のプレーです。ただ、千葉の選手層は他クラブがうらやむほどですから、選手を使う監督の手腕は当然問われます。そして、3つめの問題点は強化方針です。

 キャンプのときに書きましたが、千葉の強化方針は世代交代を進めることで強化を図るというものです。確かにそれが上手く進めば一番美しいわけですが、難しい方法でもあります。今のところ世代交代は進みつつあるが、結果には結びついていない。

 で、じゃあどうするか。監督交代はもうほぼ決まりかけている状況だと思うのですよ、あとはタイミングだけで。そのタイミングを焦らないほうがいいのではないかと。

 もし僕がクラブの社長だったら、次の監督はすでにリストアップしています。来季の編成方針を決めるのは9月ごろだと思いますが、このままの流れだと来季も鈴木監督で継続するということにはならないので。現体制で持ち直してくれることを望みながらも、ダメな場合も考えなければいけませんからね。

 監督は結果の責任をとるためにいるような職業なので、ある程度スケープゴートにされるのは仕方ありません。けれども、不振の原因は複合的なものですから監督交代だけでは解決しない。選手の入れ替えはもうそんなにできませんから、現状の強化方針と編成の下で、より効果を出せる監督を確保できるまでは動かないほうがいいと思います。監督交代をやるやらないに関わらず、強化方針そのものについても検討が必要でしょう。ただ、これについては今季中の変更は無理なので、やるだけやって結果をみることになります。

 以上はあくまで私見。クラブが実際にどう考えているかはわかりません。

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