[フィジカルトレーニング]永島俊(町田)の“使える”体作り_1
テコセンターで海老澤トレーナーの指示のもとに体幹トレーニングに励む永島俊(ペスカドーラ町田)。2人の信頼関係が確かな結果を生み出している。
取材協力◆総合治療院テコセンター 海老澤仁志トレーナー
写真・まとめ◆デジタルピヴォ! 山下
Fリーグ・ペスカドーラ町田、♯11永島俊。彼が、町田のヘッドトレーナー海老澤仁志が個人的に運営するトレーニングセンターに通い始めて3年、確実にそのプレーレベルを上げている。スペイン移籍を念頭に日々向上心を持ってフィジカルトレーニングに励んでいる23歳のプレーヤーに海老澤はどんな指導をして来たのか。3年の指導を振り返る。
聞き手◆デジタルピヴォ! 山下
[PROFILE]
海老澤仁志(えびさわ・ひとし)
株式会社テコセンター取締役にして、
Fリーグ・ペスカドーラ町田のヘッド
トレーナー。同センターでは永島俊、
滝田学ら町田所属のFリーガーをはじ
め、バスケットボール、競輪、サッカ
ー、ゴルフ、アイスホッケーなどの選
手のパーソナルトレーナーとして活動
している。41歳。
[総合治療院テコセンター]
東京都港区南青山4-9-22 アウラビルB1階
地下鉄・表参道駅徒歩5分、外苑前駅徒歩5分
TEL:03-6804-6466
間接を正しく使うための意識改革
Pivo! 永島俊選手が最初にここに来たのはいつ?
海老澤 3年前、町田に入団した2009年の4月です。入団が決まって、僕が以前から診ているチームメートの滝田から「今度、永島俊という選手が入るのでトレーニング見てください」といわれてからです。ただ、ここ(テコセンター)ができる前でしたから、恵比寿のフィジカルアクティクトというところに通ってました。去年、ここができてからはここに通ってくれています。
Pivo! 体を見てどんな印象を持った?
海老澤 そうですね、線が細いなっていうイメージは持ってました。
Pivo! ピヴォとして? それとも一般的なFリーガーとして?
海老澤 Fリーガーとしてですね。
Pivo! 入ってすぐ彼はピヴォでプレーしますが、ピヴォとしても特別線が細いという印象を持った?
海老澤 彼が来るときにどこのポジションで勝負するとかといった情報はまったくなかったので、本人のどうなりたいのかという希望を聞いて、それに対してにアプローチをしていきました。
Pivo! 彼からはどんな希望が?
海老澤 中学のときに右の足首をねんざしてそれから高校3年間、自分のイメージするようなドリブルができなかった、っていうふうにいわれて、そこをまずどうにかしようという話でスタートしました。
Pivo! そこまで話はさかのぼる!
海老澤 はい。なので、動き方とかを見ていると間接の問題も多少あったんですけど、それよりも、どのように右足に体重を乗せるか、その意識を改善することで、彼のその違和感は取れていくんだろうなと思いました。
Pivo! 右足に体重を乗せる?
海老澤 そうです。どうしても、自分の体のなかで痛いところがあると、そこを気にしすぎちゃって、そこから動き出すんですよね。そうすると、本来体が持っている正しい動き方が崩れてしまって、それで、使わなくていい所を使ってしまったりとか、本来使わなければいけない所を使えなかったりとか、そういう現象が起きてしまうんです。そのときの俊の状態も、まさにそういう感じでした。なので、右足に乗せるというよりは、間接を使う順番を正しくするというか。意識を、足首ではなく、もっと本来使わなければいけない所へ持っていくように動き出しの順番を変えていくということから始めました。
Pivo! 難しくて早くも頭が混乱しそうだが(笑)、そこから始めたと。
股関節の一番内側から動き出す
Pivo! で、具体的にはどんなメニューから始めた?
海老澤 メニュー自体はものすごくオーソドックスなものです。体の中心から物事を動かす、力自体は体の中心から出ていくので、特に体幹部に近い所から関節は動きださなければいけないという考えの元、股関節の一番内側の本来使うべき所から動き出そうという、股関節を動かすための練習メニューをいくつかから始めました。あと、お尻をちゃんと使う練習。そういった一番ベースの所から始めました。
Pivo! 劇的に変わっていった?
海老澤 実際に彼は4月から週2くらいのペースで来たのかな、それから1カ月ぐらいで、何となく感覚がつかめてきてから、違和感のある足首に意識が行かなくなってきた。イメージがだんだん中学校時代に近づいてきたと、そういう本人からの感想はもらいました。
Pivo! ほう。それから永島の話だと、ピヴォとしてピッチに立つためにはジャッピーニャという大きな壁があると。そこを乗り越えるために、すぐに彼のような独特のセンスを持っている日系ブラジル人プレーヤーを越えるのは難しいので、もう1人の日本人ピヴォをじっくり観察したといっている。そうするなかで、かなり具体的な要求点も出てきた?
海老澤 そうですね。でも、基本的には求められているものが、前でちゃんとボールを納められればいいというか、そういう所からの要求が多かったので、しっかりとボールが納まるように体を張れるというんですかね、それがまずできるようにならなければだめだねという話はしました。
Pivo! 軸を作る、ということ?
海老澤 そうですね。まず自分の動きのなかで、重たい場所を下げるというか。人間は頭が一番重たいんですけど、頭がぶれるとその動作って全部ぶれちゃうんですね。頭が前に行けば、どうしても、それを起こそうとして後ろに行き過ぎてしまうんです【図2参照】。
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