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[Fリーグ第9節]名古屋ビクトル アコスタ監督「リカルジーニョがいなくてもグループで戦えば今年も結果を残せる」(2013/8/2)

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スペイン人のビクトル アコスタ ガルシア監督(写真左)と、昨シーズンまでサテライトの監督だった高橋優介コーチ(同中央)、オーシャンズの前身、大洋薬品/BANFF NAGOYAでプレーしていた日系ブラジル人、宮澤孝通訳(同右)。

 

試合前の小さな出来事

 

予想もしていないことだった。浦安対名古屋戦のキックオフ5分前のこと。例によって両チームの集合写真を撮るためにベンチ前へ行った。まずアウエーの名古屋から。目の前に今季から名古屋の指揮を執るアコスタ監督と高橋コーチ、それに宮澤通訳がいたので多分ルール違反だとは思うが3人に向けてシャッターを切った。それが上の画像だ。そのときだ、アコスタ監督が突然話しかけてきた。ポルトガル語(だと思う、多分)で「ケンジ、アミーゴ」といっているのは分かったがそれ以外はチンプンカンプン。最初は人違いしているのかなと思ったが、そこへ宮澤通訳が入ってくれて事情がようやくわかった。かつて僕が一緒にフットサル専門誌を作っていたときの仲間のケンジと、ブラジル生まれのスペイン人で、来日するまでバルセロナに住んでいたアコスタ監督は旧知の仲だったのだ。そのことを伝えるために話しかけてくれたのだった。それにしてもケンジは僕のことをポルトガル語がまるでだめと伝えてなかったのだろうか。ま、それはいいとして、ピッチや会見場で厳しい表情を全く崩そうとしないアコスタ監督だが、僕が事情を理解して改めて握手を交わすと、すごくすてきな笑顔を見せてくれた。それだけのことだが、とてもうれしいひとときだった。このあと、あとで話を聞かせてほしいと僕からいってお互い自分の仕事に戻った。ケンジは彼のことを「勉強熱心な人」といっていたが、会話を通して感じたのは、頭のいい人だな、という印象だった。情熱家で知性的でなければ特に外国で監督は勤まらないかもしれない。

 

まとめ◆デジタルピヴォ! 山下

 

(まずは試合後の監督会見でのアコスタ監督のコメント。例によって進行担当者に「今日の試合のまとめを」と促されての発言)

 

セットプレーから点につなげることができた

 

「今日は非常にいい試合だったと思います。どの監督も望むゲーム運びが今日はできたと思います。わたしたちは前線からプレッシャーをかけていきましたが相手は回避ができなかった試合でした。セットプレーも選手がしっかりと目的意識を把握してやってくれた結果、点にもつなげることができたのでは非常に満足しています」

 

 

(会見後の単独インタビュー。「出発時間が迫ってますので短時間に」と最初から広報の女性担当者にくぎを刺されたうえでの開始となった)

 

個人技のある選手が2人抜けた

 

Pivo! ケンジに監督のことをメールしたら「ぜひ日本でいいチームを作ってください」と伝言してくれるようにと返事がきました。

アコスタ それは、ありがとう(笑)。

 

Pivo! さて、今日の監督のコーチングを見ていて気づいたが、プレーしていた選手がベンチに帰ってきたときにすぐにいろんなことを伝えているが、あれが監督のやり方?

アコスタ ゲームで選手のパフォーマンスを見てどこがよかったか、どこをよくしないといけないのかというのをできるだけ早く伝えたほうが選手も分かりやすいと思ってそうしています。

 

Pivo! リカルジーニョという大物選手が今季はいないうえに、なおかつ新加入の若い選手を多く使っている関係で今年の名古屋は弱いんじゃないか、名古屋をやっつけるのは今しかないんじゃないかという声もあがっているが監督はそのことを知ってるか、知ってどう感じているか。

アコスタ まず、リカルジーニョのような選手はどの監督も求める選手だと思います。昨シーズンから比べると個人技のある選手が2人抜けました。リカルジーニョと逸見選手です。ゲ−ムが難しい中で局面を打開できる選手っていうのは今シーズンは少なくなったかもしれません。でも、わたしは、チームが弱くなったというよりもチームが変わったと受け止めています。グループ的には非常に(勝つためのノウハウを)覚えようっていう気持ちがあるチームなので、昨シーズンのことは忘れて、グループとして戦っていけばわたしたちは今年も結果を残せるのではないかなと感じています。もちろんチームが変わっていく、監督が替わるっていうことに対して適応していくための期間というのはどのチームも必要なので、わたしたちもそのための時間は必要だと思います。ただ、選手たちは私の要求にきちんと応えてくれていますので、いい手応えを感じています。

 

セットプレーの重要性を選手は把握している

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