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[横澤直樹インタビュー]「相手のよさを消す彼ら特有のディフェンスをブラジル人はストリートフットサルで覚えていくんです」(2013/10/21)

1_サンカエターノのユニブラジル リーガナシオナルのサンカエターノでユニフォームが出来上がった日に。

 

横澤直樹、37歳。2003年にロンドリーナで全日本選手権優勝を成し遂げると、3年後の2006年、日本でFリーグが開幕する前年にオープンしたタイリーグで最初の日本人としてプレー。その後、ブラジルへ渡りナショナルリーグに所属するチームにも籍を置くなど多岐にわたって活躍。その横澤選手が「ビザ更新のため一時帰国」した機会にブラジルフットサルを中心に興味深い話を聞いた。

 

まとめ◆デジタルピヴォ! 山下

 

2_都内でのナオキ
10月初めに都内でインタビューしたときの横澤選手。

 

自分の夢を達成するために

 

Pivo! 久しぶり! ナオキがタイへ行ったのが日本でFリーグが始まる前年の2006年。この年、所属するタイリーグのトップチームTOTでプレーするナオキを現地に取材に行ったよね。その後ナオキは4年間のタイ滞在から一度日本に戻って、2010年に2度目のブラジルへ渡っている。だから、こうして会うのは実に7年ぶりになる!

 

ナオキ そういうことになりますね。お元気そうで何よりです(笑)!

 

Pivo! キミも元気そうで何より! ところで、2010年に再びブラジルに行くきっかけは?

 

ナオキ タイで、フットサルの日本人コミュ二ティーを立ち上げたんですよ。男子、女子チームの監督をしながら、同時に大会を開いて、いろんな日系企業のスポンサーに協力していただいて。その中で、日本人の子どもにも個人レッスンをしてたんですね。そのレッスンをしてるときに、夢に向かって努力している子どもたち、彼らにその夢を達成させることを伝えているうちに、自分が夢をしっかり目指せてないなってすごく感じてて、その状態で子どもに伝えたくないって思ったんです。タイにいたときから、スペイン、ブラジルでプレーしたくて連絡をとってましたが先方からは年齢的な判断で話が全然進まなくて。それでも一貫して、タイでフットサル選手として生活しながら、フットボールコミュニティーなど様々な活動をしてました。
でも、タイを飛び出さなかったら、絶対につかみとれてないことだし。ブラジルが好きとかじゃなくて、やっぱり歳をとるにつれて、選手としてはできなくなっていくし、何かを伝える立場になったときに、最高峰のものを知ってるかどうかで、伝えるものにも差が出てくると思うんですよ。ブラジルは世界最高だと思っていて、どこの国に行っても活躍しているのはブラジル人だし。やっぱりビジネスも含めて、ブラジルの選手はどこでも活躍できる秘密を持ってますね。それはディフェンスが大きく影響しています。全てではないけど、そこから生まれるものですね。

 

3_新聞記事サンカエターノ
「ブラジル リーガナシオナルに初めて出場した日本人」という記事が新聞に掲載された。

 

相手の技術を封じるブラジルの守備

 

Pivo! 秘密?

 

ナオキ ブラジルのやり方っていうのは、スピードがあるだけではだめで。日本の選手がいくら技術を磨いても、それを出させないディフェンスがブラジルにはあるんですよ。サッカーにも共通してて、それはホントに小さいころから公園とかで経験するものなんですけど。だから、(日本とブラジルの)差が縮まらない。ブラジル人はビジネスとして選手を各国に送ってますよね。立場的には助っ人であって、そのチームは強くなるけど、ほかの日本人の選手がうまくなるかは別なんですよ。ブラジルはビジネスで選手を送ってるわけだから、その秘密を教えてしまうと仕事ができなくなる。その秘密を知ったことで、僕はブラジルでもやれるし、それを日本人として将来的に日本に貢献できるものだと思うんですよ。今、37ですけど、行けるとこまで行きます。

 

Pivo! それは今話せないと。

 

ナオキ 将来的に徐々に伝えていくつもりです(笑)。

 

Pivo! そのディフェンスはブラジル人なら誰でもできる?

 

ナオキ みんなできます。攻撃も全部、ディフェンスに含まれてるんです。

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