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[山下コラム]我らがチーム監督・渡邊良太の指導方針とは? その2(2014/7/21)

image渡邊良太監督(写真後列左端)率いる「チームスマイル松戸」です。

 

自分が所属するチームの監督に指導方針を聞くという機会はあるようでない。そこで、取材を口実に(?)「チームスマイル松戸」の4回目の練習の日に、渋る渡邊良太監督にインタビューを行った。自らの経験でいうと、頑張っている人ほど、経験豊富な人ほど、語るべきものを多く持っている。要は、取材対象をその気にさせるかどうかがインタビューという仕事の要諦だ。最初は口が重かった渡邊監督も次第に舌が滑らかになってきた。そんなわけで渡邊監督インタビュ-2回目は、3回目の練習のときに起こったチームの主力選手のケガの話から始まった。

まとめ◆デジタルピヴォ! 山下

 

▼主力選手の単独事故という教訓

ケガには大きく分けて2つのパターンがあると思う。接触事故によるものと単独事故によるものだ。フットサルに限らずフットボールは相手のよさを消し合うスポーツだ。時に相手に体を当てに行くことがあり、そのためのケガはある意味、避けられない。ところがチーム3回目の練習で起こったのは全くの単独事故だった。

それは、山下のミスパスに端を発していた。練習終盤の紅白戦で相手に寄せられて焦った僕はシュートなのか右アラへのパスなのかよく分からないが、ただ、がむしゃらにボールを蹴った(ハーフを越えて相手サイドに入ったあたりだからシュートでないことは明白だ)。下手くそがよくやらかすケースだ。そのボールに、アキちゃんは、うまいが故に食らいついた。フィクソとして自陣ゴールを背にしてそのボールをコントロールすればフリーだ。うまいが故の判断。ただ、方向が定かでないそのボールはスピードだけは速かった。止めにいったアキちゃんは利き足の左を乗せる形でトラップにいった。その動きに無理があったのかもしれない。アキちゃんはボールの上に乗ってしまう形となった。次の瞬間、アキちゃんは転倒し足をかかえてその場でもん絶した。練習後、仲間のクルマで病院へ向かったアキちゃんにくだされた診断は、骨折。そして全治まで3か月。重傷だ。

アキちゃんは紛れもないチームの主力選手だ。練習で例えば2人の関係でシュートに行く形のお手本を示すとき渡邊監督の指名でアシスタント役を務める立場だ。今後、チームが大会、もしくはリーグ戦に出ることになったとき彼のいないチームは弱体化が避けられない。そうならないためにも一日でも早くいい状態で復帰してほしい。
そのアキちゃんのケガについて渡邊監督とはこんなやりとりを交わした。

山下 前回、アキちゃんが重大なケガをしてしまった。彼のケガをネタにするのは申し訳ないけど、年齢の高い我々がそれになりに頑張ってフットサルをプレーするとき、ケガは避けられない大きな問題ではあるね。
「そうっすね。大人になってやってるので。ケガのリスクっていうのは、ま、極力減らしたいとは思ってるんですけど。あれも、接触じゃなくてボールに乗った結果だったので、けど、起こりうることなんで。ストレッチ入れながらはやってるんですけど、注意しながらはやっていけたらいいなと思います」

山下 彼は確か40歳代前半。ケガしやすい年齢でもあるかな。
「はい、僕のちょっと上くらいなんで。ケガはみんなが怖いと思いますよ。なんで、つまらないといわれても、初めのアップはやらないとケガを減らすのは難しいですよね」

監督は自らの立場として選手のケガを減らしていくためにはどうしたらいいか、今まで以上に気配りをしているようだ。

山下 ケガの予防という意味では、普段のセルフトレーニングとしてオレはジム通いで重い物、ウエイトはたかが知れてるけど持つようにして体に負荷かけ、様々な場面で接触したり、ひねったりしたときにケガにつながらないようにしてるんだけど、それについては?
「(筋トレも)いきなりやっちゃうと危ないですけどね。逆に、今までボール蹴ってた人が、やってなくて、10年くらいたってやりますっていうのが一番怖いじゃないですか。イメージどおりできなくて」

山下 そういうシ-ン、何度か見てきた。
「たくさんあるじゃないですか。サッカーでもそうでしょうけど、フットサルでも同じことがいえますが、でも、フットサルのほうがより身近にできるじゃないですか。それだけに余計にリスクは高いのかなと」

山下 そのとおりだと思う。身軽さを勘違いしてしまうところがなくはないし。

▼筋トレは必要か否か

中学1年のときにサッカーを始めた僕は、これまで何回かケガを経験してきている。中でも痛みの記憶だけが脳裏に鮮明に刻まれているのは出版業界の仲間とサッカーチームを組み活動してころのことだから、よく覚えてないが、アキちゃんと偶然時期が重なる40歳代前半だったような気がする。

今思えば、その痛い経験を踏まえて、自分への投資のつもりでせっせとジム通いをするようになった。泳ぎが苦手なのに会社の仲間とトライアスロンのチームをつくり大会に出場したもののデビュー戦で最下位になったことも契機になった気がする。ジム通いの中で続けている加圧トレーニングで血管を強くした気がするし、酒が飲めないことも効を奏している気がしないでもない。いずれにしてもジムワークは今や生活の一部だ。アキちゃんのケガという人の不幸を契機にそのジム通いがこの老体のケガの現象につながっているという自負と裏づけが得たいばっかりに監督にそのことを振ってみたが、あっさりスルーされた。しかし、それでは納まらない僕はさらに追い討ちをかけた。

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