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[準会員リーグ]FリーグU23選抜・小西鉄平監督インタビュー「栗本博生はチームのキーマンだ」(2014/8/21)

image0-0で折り返した柏TOR’82戦のハーフタイム、ゴールシーンをイメージしているのか物思いにふける小西監督。

 

▼監督の至福のとき

自らが目指すフットサルをピッチで体現する選手との出会い。それこそ監督にとって至福のときだろう。選手にキャンスを与えたのがFリーグU23選抜チームの二代目監督、小西鉄平(36歳)、監督に幸福をもたらした選手が栗本博生(23歳/フウガバッファローズ)。それはどういうことなのか。小西監督の戦術論を通して2人の“甘い関係”が見えてくるのです。

まとめ◆デジタルピヴォ! 山下

 

▼4枚でボール回して裏をとるのが好き

Pivo! 去年12月まで1年間、ミャンマーの女子代表監督を務めていて帰国後すぐにFリーグU23選抜チームの監督就任を要請された。戸惑いはなかった?

小西 いや、正直ありました。僕、ミャンマーの女子の代表監督だったので、スピード感とか、そもそもミャンマーのレベルってものが違いますので。そのレベルの違いっていうのは、選手のレベルもそうですし、フットサルっていう環境、組織自体のレベルも全然ミャンマーそろってない中での代表監督だったんで、やっぱり、必然的に当たり前のレベルが低かったんですね。その中で僕は日本の、アジアの中でもトップの環境に入っていくとなると、やはり多少のギャップは最初生まれるなと思ったんで。それが神戸フェスタでちょっと出ちゃったっていうのが正直なところだったんで。ただそこから、自分自身の当たり前っていうのを変えていける作業をしてきたんで、まだまだ変えていく必要あると思いますけど大分、当たり前っていうのが日本仕様になってきたかなとは、自分では思ってます。

Pivo! 監督として、どんなフットサルを志向するのか。

小西 僕はやっぱり、4枚でボールを回しながら、相手を引き出して裏をとっていく、っていうのが好きなタイプの指導者なので。ただし、それを当てはめすぎちゃうと、結局相手ありきのゲームなんで、相手がいつも引いてるところに対して4枚と、かたくなにやるっていうのもナンセンスだと思いますし。まぁ、ただそこはこう、こだわりを持ちながらも相手ありきのところで、時間がないので、どうしても前日練習とか、当日の試合前の朝とかになってくるので、ポイントポイントを選手にうまくく伝えて、やる、と。ただやっぱりFリーグのアンダーの選手なので、ある程度の戦術知識もありますし、運動能力もあるので、そういった中では、よく選手が、短い時間でやることを理解してくれたな、というのが、準会員リーグのここまでの2試合の感想です。

▼機動力のある選手を選ぶ

Pivo! 今日の試合を見て、局面ごとに1対1を仕掛ける選手が非常に多くて、そこからチャンスメークができてたと思うが、これも小西監督が志向するものでもあるのか?

小西 あります。4枚でやると、どうしても、どうしてもっていうか、僕らの2列目のライン、底辺のラインよりも一個高いラインの、サイドの選手っていうのは、やっぱり1対1強くなきゃいけないと思うんですね。そこでやっぱり時間をつくる、スペースをつくるっていう作業できる選手。なので、必然的に選ぶときも、そういう、今日みたいな機動力があって、ボールが持ててっていう選手を比較的使うようにはしてます。

Pivo! 選手、個が持っている特徴を大事にしていくと。

小西 そうですね。選抜チームなので、そこは大事にしてます。チームの共有事項プラスアルファ、個々を出すんだよ、っていうのは、いつも話してることなので。ま、ホントに、今日なんかはいいゲームだったと思います。個々に関しては。

Pivo! 4人で運ぶ、そして裏を突く、そのチームのベースがパスワークだと思うが、でも、その枠にはめないといった。それは練習の機会が少ないだけに、個人の特徴を思い切り出させるほうが伸びやかな動きにつながるから?

小西 そこはですね、少し難しいというか違うところもあって。あくまでもベースはチームなので。で、チームってやっぱり、約束事、同じ向きを向いてないと絶対に負けてしまうっていうのは、僕、ミャンマーで痛いほど経験しているので。

Pivo! そうなんだ!

小西 そうなんです。だからチームの共有事項はちゃんとやらせます。もう、これはこれだっていうふうに。なので練習は、チームの約束事を理解するって練習が多いです。

Pivo! 筋を通すことは大事だと思う反面で、練習時間が短いだけに、やりきれないのかなと思っていたが、そういうことではないと。

小西 そういうことではないです。あくまでチームです。まぁ、ホント、選抜チームで時間ないですけど、そこを言い訳にせずに、チームはチームとして、やるんだよっていうのは、大事にしたいというか、してることですね。

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