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[Pivo! clinic 特別編その2]府中アスレ・谷本俊介監督「駆け引き、切り替え、ごまかさない、が僕の指導のキモだ」(2014/9/25)

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「小学4~6年生」の指導の前にあいさつする谷本監督。

 

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谷本監督から1人に1個プレゼントされたFリーグ公式球にサインをもらって笑顔の「小学4~6年生」部門の参加者。

 

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クリニック終了後、持参したサイン色紙に谷本監督のサインをもらって大喜びの参加者。

 

「駆け引き、切り替え、ごまかさない」。これが谷本俊介・府中アスレティックFC監督の指導をするうえでの重要な3つのキーワードだという。
「駆け引き、切り替え」はわかるような気がする。だが、「ごまかさない」はどういう意味なのか。その意味するところはフットサルの本質と通底するものだった。前口上はこのくらいにして、さっそく谷本監督の指導哲学ともいうべき話に耳を傾けよう。

まとめ◆デジタルピヴォ! 山下

 

▼切り替えを養う鳥かご

谷本 トレーニングメニューの続きとして、鳥かごのルールの発展型の中に、切り替えの要素を盛り込みました。ゲームでは常にボールを奪われたとしても、次のアクションが入りますし、ただ単なる“鳥かご”でボールを取った、取られただけじゃなくて、実際のゲームを意識してオフェンス側は取られても切り替えて次の行動に移らなければいけませんし、ディフェンス側もボールを取る際にクリアではなく、完全にボールを奪うことにこだわらなければいけません。

Pivo! それが、鬼がビブスを切るんじゃなくて、投げるために手に持ってやったメニューね?

谷本 そうです。ビブスを投げてオフェンスの誰かに当てるっていう、あれです。

この“鳥かご”は4対1で、2タッチ以下のルール。鬼がボールをコート内で奪い切ることができればボールを奪われたプレーヤーと鬼が交代。さらに、パスカットしたボールがコートの外に出たり、オフェンス側がパスミスをしてとにかくボールがコートの外に出た際に4秒以内に鬼が手に持ったビブスを4人のオフェンスの誰かに投げて当てればその人と鬼が交代できるというものです。オフェンス側はミスがあっても鬼にビブスを当てられないように逃げれば鬼を交代しなくてもOKです。

一般的に切り替えの要素はカウンターゲームみたいなものでしかトレーニングできないと思われがちですけど、よく行われることが多い鳥かごメニューでも簡単にトレーニングできるんでよね。

切り替えのトレーニングだけのために毎回カウンターゲームをやるのは重労働じゃないですか。でも少し工夫すれば切り替えの要素って、いろいろなメニューに落とし込めるんですよ。そういったヒントがあの中にはありました。

Pivo! あの鳥かごの練習、「いつものように、ただ鳥かごやるんじゃなくて、工夫した発展形をチームに持ち帰って練習メニューの中に入れたい」っていってくれた参加者がいました。

谷本 あ、ホントですか。うれしいですね。

Pivo! チームで活動してるんだけど、ゲームばっかり。練習はほとんどできない、教える人もいないし。その中で、鳥かごはやっても普通の鳥かご。そこへもう一個判断の要素を入れてくっていうのは大事だっていうふうにいってました。

谷本 そうですね。ただゲームをやるだけでも別にそれはそれでもOKだと思います。大事なのはどんなメニュー、ゲームをやるにしても何をテーマに、何を意識するかを決めて、それに応じた何かしらのルールを加えることで、そこの注意力だったり、集中力を高めることにつながると思います。

それは、ただ単なるドリル形式のトレーニングでも、選手が集中力、注意力を途切れることなくプレーさせるっていうのは、とても大事だと思います。だから、僕のトレーニングはだいたい、昔学校のころに数学とかで、まず公式を覚えて、基礎練習をやって、その後応用練習があって、最後になんか章のまとめみたいな問題があるような形で、最初ボールを手で扱った状態で基礎があって、次にディフェンスが入って応用があって、その後に足で扱う状態があって、最後にゲームがあって、という発展のさせ方を意識しています。

Pivo! なるほどね。組み立て方がよく分かります。

▼府中アスレと共通のメニュー

谷本 今日のクリニックの売りとして、普段指導しているFリーグチームでも実践しているトレーニングをということだったので、今日やったトレーニングメニューって、うちのトップチームでも本当にやらせているんですよ。

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