「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

【インタビュー】栃木SC 橋本大輔代表取締役社長インタビューSeries2後編 ~グリスタのホームゲームで変えたこと、変えようとしていること~ 「クラブがもっと地域のマーケットの理解を深めて相手のことを知る。そこに時間をかけないといけない」

着々と進むクラブ改革。前編に引き続き、栃木SCの橋本大輔代表取締役社長に「ホームゲームで変えたこと、変えようとしていること」をテーマに話を聞いた。

>>>前編はこちら

栃木を知る、栃木の人たちを知る。今後より重要になるマーケティング力

 

――ちなみにホームゲームの飲食店の出店数は抑えているんですか?

「これは客数に合わせています。増やそうと思えば増やせるんですけれど、そうすると一店舗あたりの売り上げが落ちてしまう。バランスをとっています。お客さんにとったアンケートの回答もすべて飲食店に渡しています。それで改善してもらいたいところやメニューなど、まだ少ないですけれど、女性の好むようなものやハーフサイズのものなども取り入れられるようになってきています。
あとは、場内のイベント会場についてですが、今まではスポンサーにしか貸していなかったんですが、それを少し緩和して、今後は使いたい人が利用できるようにしていきたいと思っていますし、もちろんある程度の制約やルールは必要ですが、今後検討していきたいと思っています。イベントについては債務超過があったときにすべて予算をカットしていたので、現状ではクラブ主催のものをあまりやらなくなっているのですが、クラブでアイデアを出して後援会で主催してもらうとか、協力者と連携してイベントスペースの活用方法を考えています。
また、今までイベントについては次のホームゲームに向けて開催していたんですが、今後はひとつホームゲームを飛ばしたスケジュールでやろうと。それくらいのスパンでイベントを考えて準備してやっていかないと、ずっと目の前のホームゲームのことだけに追われてしまう。一つ先のホームゲームのイベントにじっくり時間をかけて練り上げていこうという話し合いは常にしています」

――イベントについては、先日、川崎フロンターレのプロモーション事業部の天野春果さんに取材する機会があったのですが、印象的だったのは、そのイベントをやるなら、イベントだけで集客できるだけのことをやらないといけないと強く主張されていたことです。8月には宇宙飛行士と大久保嘉人らが生交信するという夏休みの目玉イベントも計画しています。川崎の人たちにはフロンターレでの思い出がずっと残ることなる。大変だけれどそこまでやらないとダメだと。
あとはホームタウンのマーケティングを徹底してやらないとイベントの企画を打つにも打てないと話されていました。地域の動き、たとえば、マンションの購買層はどうなんだとか、そういう細かい動きを徹底的にリサーチしてそれに合わせて企画を仕掛けているそうです。

「サッカーが好きだから、サッカー好きが集まるためのことしか考えていないではだめだということですよね」

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