【無料掲載】2016Jリーグ2ndステージ第9節・川崎フロンターレ戦[風間八宏監督(川崎)][監督コメント]

○風間八宏監督(川崎)
まだまだコンディションだったり、ケガ人だったり、なかなか難しい状態ではあるんですけれども、選手たちがどんどん個人個人を伸ばすこということで、チームもいい方向に逆に向かっているのかなと思っています。90分の中でうまくいかなかったこともありますけど、その都度修正というか、少しポイントを変えると、選手たちがそれを体現してくれるという風にも思いましたし、自分たちがだいぶ遊び球を使いながら、相手を見られるようにはなってきたなと思います。

ただ、まだまだ上があるし、まだまだ試合も多いので、手放しで喜ぶところではないですけど、1つずつ自分たちが成長していけていることを感じたゲームではありました。

Q 遊び球という話があったが、決勝点のシーンで大島がペナルティエリア付近で非常に落ち着いてボールをさばいていた。大島が成長している点については?

一番は、これだけハードなスケジュールで体調もよくない中、よく90分やったと思います。普通だったら「監督は鬼」と言われると思うんですけど(笑)。よくやってくれたと思います。あとは遊び球という話をしましたけど、相手を見られるというのが一番大きいところです。それから、相手の足を動かしながら止める、最終的には目を止めるんですけど、そこのところを僚太、あるいはネットもそうですし、憲剛も含め、みんなだんだんそういうところの精度というか、遊ぶところが多くなってきたかなと思います。いいプレーだったと思います。

Q 今日は相手に合わせるようなフォーメーションでやっていたが、意図と評価は?

単純にサイドバックがいないということですね(笑)。あとは、自分たちがボールをしっかり持って崩すというところが一番の課題で、レッズを受けるのであれば、どれだけの時間、レッズに対して我々がボールを持てるかです。彼らはどちらかというと取りたいチームですので、前半は何回か取られるシーンがありましたけど、だんだんよくなってきたので、そういうところをどのくらいできるかという風にみんなに言いました。コアメンバーが本当に余裕を持ちながらやってくれたと思います。

Q 多くのチャンスを作れても決め切れるかの精度をテーマに揚げているが、そこで意識しているとこと、チャンスを逃さないところに関して今日の手応えについては?

ここでは正直、時間が短くて言えないんですけど、抽象的な言葉で「異質」、それを武器に変えるトレーニングをしています。見えるものも、待ち合わせるところも、何をどう狙うかということもトレーニングの中でだいぶやっている選手はそれを自分たちの中で作ってきている、その1点だと思います。

Q 今日の一番のキーワードである「相手のことが見えてきた」というところの一番のバックボーンは?

ボールを動かすということ、それから今までは素直にパスを出すというところで、直接パスがすごく多かったと思うんですけど、角度をつけることができるようになりました。それから遊び球、ボールを動かしながら、その中で何回も「入れるぞ」というのをたくさん見せていると思うんですけど、そこでだんだん相手が締めるけれども動きが止まってくる、それからボールに対するプレッシャーが落ちてくる、そこで目が止まった瞬間に相手を外していくという作業なんですけど、それは言葉で言うと簡単なんですけど、そう簡単なことじゃない。それをだんだんみんなが覚えて、タイミングが合ってきていることがあります。ただ、まだ足元がずれることなどがたくさんあるので、だんだんやっていかないといけないと思います。

Q そうしたイメージトレーニングなどはやっているのか?

頭があって、技術があって、それから体が動くという、3つの技術を正確にしていかなくてはいけません。1だけではないですよね、メンタルトレーニングをすればいいということではなくて、自分たちがいろいろな武器を持ちながら、そこを突破できるんだということで頭が大きくなる、そうなれば技術も体も足りなくなる。その作業ですね。

一人一人の個人の戦術、技術をどこまで上げていってあげるか。それを急ぎすぎてもしょうがないですけど、どこまで今できることをもうひとつ上にしてあげられるかということだと思います。それが僕の中の「メンタル」だと思います。

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