バスケットボール選手のような試合になった菊池大介 今に生きている半年間とは【轡田哲朗レッズレビュー/明治安田生命Jリーグ第24節清水戦】
(取材・文)轡田哲朗
何度となく繰り返したジャンプが浦和のサイドを救った
身長差は実に14センチ。セットした状態からは徹底して自分のマッチアップになったMFミッチェル・デュークを狙う清水エスパルスのロングボールに対し、何度ジャンプしたか分からない。菊池大介は浦和レッズが2-1で勝利したゲームを終えると「1試合であんなに競ることはなかなかないですよね」と苦笑いを浮かべた。
槙野智章に話を聞くと、当初のスカウティングでは菊池と槙野のサイドには相手MF枝村匠馬が入る想定でトレーニングを積んできたという。しかし、ふたを開けてみればデュークが自分のサイドに張り出してきたことで、想像以上に競り合いにパワーを使うゲームになった。相手には187センチの長身FW長谷川悠も控えているため、ゴールキックの際に槙野とポジションを入れ替えることは、長谷川狙いのボールが飛んだ時の危険性を考えればできない。槙野は試合が始まった時点で「菊池を信じて競らせて、良いバランスを保つことを考えました」と、デュークのマーカーを据え置くことにチームの決断があったことを明かした。
もしかしたら菊池は、その役目は逆サイドの梅崎司が担う試合であり、自身はもっと攻撃的に振る舞うことができるイメージでゲームに入ったのかもしれない。短い助走から体を沈み込ませてジャンプすることを連続するのは、想像以上に足の筋肉にダメージが来る。バスケットボールの選手たちは自由な交代で少しずつ休みながらプレーできるが、サッカーはそうはいかない。このゲームで清水の狙いがハマりきるかどうかは、菊池の頑張り次第だった。
「高さの差はあるとはいえサイドのポジションだったので、良い形で競らせなければ良いと割り切った部分はあります。競り勝てたわけではないですけど、今までにないくらい飛びましたね。デュークがこっちのサイドに来た時点で分かってはいたけど、後ろで槙野君もサポートしてくれていたので。ちょっと厳しかったですけどね」
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