女性向けソープランドの失敗—性差別とされるものの中身 3-(松沢呉一) -2,840文字-
「経営者の男女不均衡—性差別とされるものの中身 2」の続きです。
福岡「CC Club」の失敗
「おっぱい募金」においても、一度は男優が出たことがあったのに、人気がなくて終わってしまったわけですが、昨今は男優人気が高くて、昨年は多数のファンが詰めかけていたことは報告した通り。いい時代になってきましたね。
しかし、性風俗店を成立させるのはなお難しい。十年前に、福岡に女性向けソープランドがオープンして一年足らずで閉店しています。
以下はオープン時の記事。
ここで働いたソープボーイを取材して書かれた告白文がこちらに出ています。これはリアル。いちいち納得できます。
失敗の原因はざっと以下のようになりましょう。
1)客が少ない
2)ソープボーイの体がもたない
3)トラブルが多い
告白文を見ると、そこそこは客が来ていたようですが、閉店したってことは店を維持できるほどは来なかったってことです。他の問題があれども、利益が出ているならなんとしても続けるってもんですから。
客が足りなかったのは、まず料金が高過ぎることに理由があろうかと。そもそも女は性的快楽のために金を出す習慣がないのだし、3万円を気楽に出せる人は限られます。
続いて、ロケーションの問題、男の客を相手にする場合は目立つところにあっても入るのに、女の客は人目を気にして入れない。そこに男女の差があります。個の勇気の問題であり、社会の視線の問題。
「おっぱい募金」の際も、「女が男の体を触りに行くわけがない」と決めつけていた人たちがいましたが、そういう人たちが、性風俗店に女が行くことを妨害しています。
なぜノンケなのに売り専ボーイたちは女性客を嫌うか
2点目は売り専ボーイたちが言うことと同じです。女の客も受け付けている店で働くノンケのボーイたちはことごとくと言っていいほど、女の客を嫌がります。ノンケなんだから女の客の方がいいと思えるのは最初だけ。
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