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レポート◆対甲府戦に向けて、マッシモ フィッカデンティ監督、森重真人/コメント◆高橋秀人、吉本一謙、野澤英之「ヒデくんはすばらしい選手だからいないのは痛いですけれど、それでもやれるというところを見せなきゃいけない。全員でがんばります」(吉本)(2014/11/27)

レポート◆対甲府戦に向けて

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FC東京は11月29日、山梨中銀スタジアムにてヴァンフォーレ甲府と対戦する。
シーズンを通して積み上げてきた成果を見せるべく臨んだ前節はアルビレックス新潟に1-3で敗れ、課題があらわになった。
次の第33節は警告累積により、アンカーの高橋秀人が出場停止。ディフェンスラインと中盤を行き来する要のポジションを務めてきた重要人物の不在とあって楽観視できる状況ではない。

しかし27日、戦術練習を実施したマッシモ フィッカデンティ監督は「うまく修正してくれたと思います。そう、確信を持っています。そのためにきょうは戦術練習をやりました。正しいメニューをこなしたと思います」と自信をのぞかせた。

あさってピッチを留守にする高橋秀人は、いつもより客観的な位置から、今週のチームと次節の行方をどう捉えているのだろうか。
「監督から主に話があったのはメンタルのことで、戦術ではないんですね。試合への入り方、戦う気持ちの質を上げていこうという感じでした。甲府は城福浩監督の退任が決まり、有終の美を飾りたいと思っているはずです。戦術云々ではない部分もあり、そこを凌駕できるか。雰囲気はいいと思います」
戦術がうまくはまらない場合もある。そのときに、システムの有効性によるプラスマイナスの範囲を、その他の部分で凌駕できるかが鍵になると、高橋は考えているようだ。

キャプテンの森重真人にもコメントを求めた。
相手は前節とはちがった戦い方をしてくるだろうが、しかし相手云々ではなく、やはり自分たちが重要なのではないかと訊ねると、森重は次のように答えた。
「そうですね。
自分らは前の試合でバラバラになってしまったので、相手のことよりも自分らの準備を整えることが大切です。
戦術はいつもどおり、しっかり頭に入れて。
ゲーム形式でも、(この日の全体練習の)最後のゲームなどを振り返ると、まだまだ甘い部分があると思います。
きょうは両チーム合わせて5点入ったんですけれども、いいときは0-0で、守備の意識が高い。
もう一度、日頃のゲーム形式から、距離感やバランスといったものをしっかりやっていかなければいけないと思います」

もしかすると戦術以前のベースの部分が、少し綻んでいるのだろうか。前節の試合後、羽生直剛は「プロとして未熟」と言ったが、シーズンを通しての金属疲労のようなものがあるのだとすると、ふだんはできている、あるいはできていたことであっても、より意識を研ぎ澄ませて取り組む必要があるのかもしれない。

対新潟戦では、前線からボールを追う選手と後方でステイする選手とのあいだで空いたスペース、左右の偏りから生じる空いたスペースが問題になった。
決してメンタルだけの問題ではなく、メカニズムの問題もあるが、しかし4-3-3のフォーメーションにつきまとう特性に合わせた練習はこの一年やってきたことだ。メンタルだけでなく、戦術の部分でも修正は図っている。

「ディフェンスがラインを上げないといけない時間帯もあっただろうし、前のひとに待ってもらって中を固めたほうがいい時間帯もあったかもしれない」
そう、吉本一謙は言う。
甲府に対する攻守の要諦をすり込むと同時に、そうした前節の反省も採り入れ、コミュニケーションと意識の統一を心がけている。準備は整っていると信じたい。

中盤がどう構成されるかは予断を許さないが、アンカーに野澤英之が入る可能性が出てきた。ホームでの対サガン鳥栖戦での負傷があり、リーグ戦の先発から遠ざかっていた野澤にとっては、もし出場すれば、久々の先発となる。
アンカーにインサイドハーフの選手を据えてほかのポジションを動かすよりも、ピンポイントに同じタイプの選手を置いたほうが、全体の機能性は保たれるだろう。そうした意図があるのなら、この起用は納得できる。

「いつでもチャンスが来たらできるように、ここ一年ずっと準備してきました」
取材に応じる野澤の表情には、これまでよりも気迫がみなぎっている。鬼気迫る、と表現してもいいほどだった。
気合が入ってますね、と訊ねると、
「チャンスを逃すわけにはいかないので」

前節への反省がある。
次節への対策がある。
そして新戦力の刺激もある。
相手には城福監督を快く送り出したいという気持ちもあるだろう。しかし東京の闘志が甲府のそれを上回ることを期待して最後のアウエーゲームを待ちたい。

 

コメント◆高橋秀人、吉本一謙、野澤英之「ヒデくんはすばらしい選手だからいないのは痛いですけれど、それでもやれるというところを見せなきゃいけない。全員でがんばります」(吉本)

◯高橋秀人の談話

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