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【有料記事/2017シーズン新体制発表記者会見】全員東京生まれ! ゴールキーパーズ(2017/01/21)

今シーズン、新たにFC東京へと加入したゴールキーパーは、全員が東京都の生まれである。しかも東西ふたりずつと、バランスがいい。林彰洋は東大和市、波多野豪は武蔵村山市と、それぞれ西側に、大久保択生は江東区、廣末陸は足立区と、それぞれ東側に生を受けた。
事務所やグラウンドがある場所をクラブの拠点と考えたとき、東京の場合、味の素スタジアムがある調布市、FC東京U-15むさしが活動する小金井市、トップチームとFC東京U-18の練習場所である小平市などの東京西部と、FC東京U-15深川やかつての東京ガスサッカー部でおなじみの江東区など東京東部に分かれる。多摩地区と東京23区どちらの住民も、それぞれ“推し”の対象として見ることができる選手たちがやってきたわけだ。
当然のことながら、新体制発表会見後の囲み取材では、地元なりクラブへの愛着が語られた。

FC東京U-18から昇格してきた波多野豪は、これまでも2種登録の選手としてトップチームの練習に参加、あるいはJ3の公式戦に出場していたが、やはり正式にトップの一員となったことは別のようで、感無量の面持ちだった。
「すなおにうれしいです。ぼくが2歳の頃からこの小平グランドに練習を観に来ていて、ここでやりたいと強く思っていたので、(トップに)上がることができて、すなおにうれしいです」
めざすゴールキーパーは、FC東京が初めてJ1に昇格した2000年に加入してきた、あの守護神だという。
「ぼくがいちばん好きになったひとは土肥洋一さん。FC東京の先輩でもあるので、土肥さんのようになれれば」

深川グランドと夢の島競技場がある江東区に生まれた大久保択生の場合、周囲の反応がいいらしい。
「(FC東京は)ちいさいときからすぐ傍にあったので、あるのが当たり前じゃないですけど、身近な存在ではありました。そこ(東京)で自分がプロの選手としてやれるということはうれしいことですし、身のまわりのひとにすごく喜んでもらえている。あとはピッチで見せるしかないと思っています」
林彰洋にも地元民の意識がある。
「ここは地元なので、ほんとうに(東大和市の出身)。そういう意味では地元に貢献するタイミングかなと思っていますし、しっかり結果を残してね、貢献したいと思っています」

FC東京U-15深川からFC東京U-18に上がれずに迎えた高校の三年間は「シンプルに悔しくて、見返してやりたいという気持ちが非常に強かったです」という廣末陸。客観的に己を見つめ直す時期を過ごしてきたようだが、それでも青森山田高校を経由してFC東京に戻ってきたことに、喜びをにじませている。
「自分にとってすごく特別なクラブであったので、そのクラブに必要とされているという意味では、すごくうれしい。ここで結果を残したいという気持ちが非常に強いです」

全員が東京都の生まれであり、半分のふたりがFC東京の下部組織を経験しているという共通点がある。それがゴールキーパーチームとしてのまとまりとなるかはまだわからない。しかしゴールキーパー陣を一新して臨むにあたり、この符合は、ないよりはあったほうがいいものであるのではないか。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

ここからはひとりずつ、囲み取材をしたときの話を振り返ってみよう。
言葉を拾っていくと、4人それぞれが、何こだわっているか、何に意識が向いているか、ちがいが浮かび上がってくる。

◯波多野豪

東京の強化部は波多野豪に大きな期待を寄せているようだ。
「ユースから昇格したゴールキーパーでゴールを守らせたいと言っていただいたので、

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