「マリノスに『もう一度獲得したい』と言われるような選手になりたい」三門雄大の完全移籍について
23日、マリノスはMF三門雄大(29)がアビスパ福岡に完全移籍することを発表した。三門は14年に新潟から完全移籍で加入し、15年は主力選手の一員としてリーグ戦32試合に出場した。しかし、今季はここまで出場3試合(先発は1試合のみ)と出場機会が激減。出場機会を求めていたところにオファーが舞い込んだ格好だ。
現在、J1最下位に沈む福岡は残留に向けて戦力アップが欠かせなかった。福岡の鈴木健仁統括部長はアルビレックス新潟のスカウト時代に、三門を流通経済大から獲得した人物である。約1ヵ月前から獲得に向けた動きを進め、複数年契約を残していたマリノスに移籍違約金を支払う形で交渉をまとめた。
三門はこの日の練習前にチームメートやスタッフに別れの挨拶を行った。その場では「2ndステージの第2節ですぐに対戦するのでお手柔らかに」と話して笑いを誘ったという。後輩選手から慕われ、ピッチ内では仲間のために汗を流せる男は、献身性と自己犠牲心に溢れる選手だった。
昨季は本職のボランチだけでなく新しいタイプのトップ下として新境地を開拓。前線からのチェイシングで守備を活性化し、縦方向へのランニングで攻撃に推進力をもたらした。2ndステージに入って中村俊輔が復活してからは本職のボランチに戻り、喜田拓也とコンビを形成する。チーム状況や試合展開によっては右SBもこなすユーティリティー性で欠かせない存在となった。
しかし、今季に入ってからは不遇をかこう。開幕戦こそ先発出場したが、その後は先発の座を失う。その後は負傷が重なった影響もあるが、スタメン争いに加われなかった。復帰後の練習では人員不足の右SBに回されるケースも目立つようになる。ナビスコカップ・福岡戦ではボランチで先発したが、後半途中から右SBにスライドを命じられて不満を露骨に表した。福岡が獲得に向けて動き始めたのは、ちょうどその頃だったと推測される。
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