赤鯱新報

【名古屋vs福岡】プレビュー:いざ最終決戦へ。J2での1年を、笑顔で締めくくれ。

■J1昇格プレーオフ 決勝
12月3日(日)名古屋vs福岡(16:00KICK OFF/豊田ス)
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1年前のシーズン最終戦とは、まるで違う戦いである。土壇場ではあるが、あの時は迫りくる危機から逃れるような戦いだった。1年と1ヵ月後、その顔ぶれを大きく変えた名古屋グランパスは、目の前のチャンスをつかみ取るための決戦に挑む。唯一絶対の目的はレギュレーションを含めた“勝利”。結果として引き分け以上で目標が達成されるのは昨季と同じだが、現在の名古屋はその結果を奪い取りにいくような勇猛さを兼ね備えている。

「止める、蹴る」の基本技術や動き方の基本から始めたチーム作りは、最初の収穫期を迎えている。トライし続けてきた42試合のJ2リーグ戦を通して彼らは風間八宏監督の言う「自分たちらしさ」をピッチで表現し、相手をそのサッカーに引き込むだけの根拠を培ってきた。序盤戦は未熟さゆえに個の力でねじ伏せるようなところもあったが、成功体験を重ねることで確信的なチームワークを醸成し、一つの流れの中で個の特性を生かせるようなチームへと彼らは変貌。ホームでの福岡戦など、一つの到達点としての快勝を実現しながら敗戦もまた多く、失敗の経験則も己の血肉としてシーズン44試合目を迎えている。プレーオフ準決勝の千葉戦ではそうした積み重ねの上にさらに対戦相手を封じる現実的な一手を加え、勝利をもぎ取るたくましさも誇示した。これをスタイルを貫ききれなかったと捉えるか、勝者のメンタリティーの芽生えと捉えるかは人それぞれだが、それが彼らの勝因だったことは紛れもない事実だ。2017年版の名古屋は、悪くない完成度を見せているといっていい。

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