赤鯱新報

【名古屋vs浦和】レビュー:大敗はチームの課題と可能性を浮き彫りに。戦力拡充への第一歩は、敗北から踏み出された。

■YBCルヴァンカップ 第1節
3月7日(水)名古屋 1-4 浦和(19:03KICK OFF/パロ瑞穂/9,491人)
得点者:9′ 興梠慎三(浦和)15′ 荻原拓也(浦和)17′ 興梠慎三(浦和)31′ 荻原拓也(浦和)87′ 佐藤寿人(名古屋)
———–
開始17分間で3失点。ここで試合の趨勢はほぼ決まったと言ってよかった。どんなチームでも前半を半分も終えない段階で3失点してしまえば、追い上げに途方もない労力が必要になってくる。しかも完全にターンオーバーをした名古屋が3点を追わなければならなくなった相手はほぼフルメンバーの浦和である。風間監督が用意した「新たなメンバー」はその力を発揮するにはあまりにも厳しい展開に自らを追い込み、敗北した。

攻守一体のチームコンセプトは、そのどちらが欠けても成り立たない。そのことをチームは改めて痛感した90分間だったはずだ。佐藤寿人は「普段のトレーニングでできていることができなければ、こうなるということ」とサバサバとした口調で語る。前線からの守備はボールを追ってはいても奪いきるような勢いがなく、労せずしていなされることも多々。中盤から後ろが連動しようにも、初手が軽くては後手に回るばかりだった。浦和には岩波拓也というロングパスの名手がおり、蹴らせない守備をしてこないフォアチェックを尻目に次々とDFライン裏にフィードを落とされた。立ち上がりこそプレッシャーをかけられた名古屋だったが、すぐさま勢いを消され、9分には早くも失点。岩波のロングフィードに抜け出した李忠成がフォローに来た長澤和輝に落とし、悠々と上げたクロスを興梠慎三に頭で叩き込まれた。シンプル極まりない攻撃はしかしスピード感と連動性に満ち、名古屋の守備陣を切り裂いた。

(残り 2479文字/全文: 3213文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ