石井紘人のFootball Referee Journal

無料:VARのないビッグマッチでみせた塚田智宏A2副審の「出所も見ながらラインをキープして戻ってくる選手も視野に入れる」ナイスジャッジに平畠氏原氏「凄い」【東京ヴェルディ×SC相模原:上原直人審判団】

J2リーグ最終節となる第42節の東京ヴェルディ×SC相模原戦。残留争い真っ最中の相模原の試合は村上伸次主審の言葉を借りれば「裏ビッグマッチ」である。

そんな大事な試合で、塚田智宏A2副審がナイスジャッジを見せた。

それは相模原が一点を追う展開で迎えた45分。ロングパスを川崎が頭で繋いで最後は鎌田がゴールネットを揺らしたシーンだ。

Jリーグジャッジリプレイ』(DAZN)出演者たちが、一瞬何があったか分からないと語ったように、非常に難しいオフサイドの見極めだったが、その際の副審の判断をFIFAワールドカップで副審を務めた廣嶋禎数氏が解説した。

DFの最終ラインはオフサイドポジションの選手をマークしていたので、(鎌田の)オフサイドポジションにいる見極めは実はそんなに難しくない」としながら、

「ただ、皆さんが(オフサイドラインを引く前に)オフサイドポジションではないと思われるのは、戻ってくるDFの選手と(パスが出てくる)瞬間で入れ替わっているんです。なので、オフサイドポジションではないように見えるのだと思います。次に(難しいのはパスが出てくる)ボールを競る選手、どちらの選手がボールを触るか副審からは分からない。その出所を副審は見たいので見に行く。でも、その時に出所のみを注視してしまうと、戻ってくる選手のいつ戻ってきたかがはっきりと見えなくなるので、目を移してしまうとオフサイドではないと見てしまう。それでミスが起きる。出所も見ながらラインをキープして戻ってくる選手も視野に入れることをやらないといけない」。

廣嶋氏の解説を聞いた

平畠啓史氏と原博実Jリーグ副理事長は「凄い」と感嘆しきりだった。

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