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上位グループでの折り返しは想定内も、内容に不安。中断期間で強度を高め、前線に供給する道中の技術を改善する【2021シーズン前半戦総括】

 

©FC GIFU


「昨シーズンのように、置いていかれることはやめよう。昇格の枠内に入っていればいい」
 これは安間貴義監督がチーム内で語っていたことだった。
「オレに足りないところ」という、現実的な計算を学んだのはFC東京のコーチ時代。たとえば横浜F・マリノスと優勝を争った2019シーズン、安間監督の師匠に当たる長谷川健太監督は、J2とJ1でリーグ優勝を果たした経験も踏まえ、こう言っていた。
「(2019のJ1の場合)1位の想定勝点は64から70。その年、その年でリーグの特徴が異なり、最高勝点は変わってくる。そのリーグの特徴を尊重して上位で迎えた終盤、最後の5試合で優勝が決まる」
 
 緊張感が高まり、勝点1、得点1の差が大きくのしかかってくるのは最後の特に3~4試合。このシーズンの東京は最後の3試合の最初の2試合を連続で引き分けて首位から陥落し、マリノスに抜かされて優勝を果たすことが出来なかったが、そこまでは計算どおりにリーグ戦を進めていた。今シーズンのFC岐阜も、常に上位を維持して半分の日程を終えるところまで来た。
「それまでは混戦でも、競うことを怖れずにプレー出来ればいいんだよね」と、指揮官は言う。ほんとうにヒリヒリするのは終盤の数試合。独走して勝てればもちろん精神的には楽だが、サッカーはそれほど甘くない。団子状態の混戦に耐えられないようでは、王者になる資格がない。
 
 ひとつ多く試合を消化して首位のFC岐阜は、全クラブが14で試合数を並べた時点でカターレ富山、ロアッソ熊本、テゲバジャーロ宮崎、福島ユナイテッドFCに抜かれる可能性があるが、それでも勝点差は3または1。大きく離されるわけではない。今シーズンはチーム数と試合数が少なくどのクラブにも昇格の可能性があってなかなか諦めないから接戦になる。上位グループに入った状態での折り返しは想定の内だ。

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